■企画展 時を聴く―川﨑久美子織アート展―
会期:2月15日(土)~3月20日(木・祝)
開館時間:9時~16時30分(会期中無休)
川﨑久美子先生は、弥彦村在住で織アート作家として活躍されています。2006年に京都造形芸術大学通信制染織コースを卒業し、2012年には県展の最高賞である「県展賞」を受賞しました。同年には日展に初入選し、以後毎年入選を続け、2015年県展無鑑査、2021年日展会友となりました。7年振り2回目の企画展にかける思いをお聞きしました。
◇織を始めたきっかけを教えてください。
勤務先だった知的障害施設勤務のときに機織科担当となり、利用者さんに教えるために手織り教室に通いました。普段何気なく使う布が、経糸を張って横糸を使い、一段ずつ機織りされていることを初めて知り感動しました。
また、糸の組み合わせで縞や格子などいろんな織り方ができることが魔法のようで、織の魅力に引き込まれていきました。
◇織アーティストとして作品制作でのこだわりを教えてください。
織と出会った時から、織をアートにしたいと日々機と向きあってきました。仕事と家事をこなしながら、7年かけて大学の通信制を卒業したことや、毎年県展に出展したのも織アーティストとしての道を究めたいという志があったからです。
綴れ織でのタペストリーの制作手順は、まず構図と配色を決め、作品の下図を描きます。ここまでの作業がすごく大切で、織る準備ができたのか、納得するまで何度も自分に問いかけます。その後、機織りを始めますが、横120cm、長さ2m程織るのに3~4か月かかります。1日3センチ程しか織れなくて、効率が悪いと思うかもしれませんが、徐々に仕上がっていく作品を見ると、自分が生きた時間が織り込まれているようで、とてもいとおしく思えます。
◇企画展のタイトルを「時を聴く」としたのはなぜですか。
「時を」をさかのぼり過去を知ることは、今の自分を知ること。そこから未来を知る知恵を得ることができるかもしれません。
来場された方には、自分の生きてきた時間や、関わりのあった人たちと過ごした時間を思い、お世話になった人への感謝を感じてもらえれば幸いです。
2回目の企画展ですが、前回と同じ印象を持たれることは嫌で、皆さんに「進化したね」と言われる展覧会にしたいと思います。
◆作品解説会:3月20日(木・祝) 13時30分~
◆ギャラリーコンサート:3月9日(日) 13時30分~
美術館展示室
・かごしま けいこ(ピアノ)
・福島 ひろみ(チェロ)
企画展テーマ「時を聴く」にふさわしい素敵な演奏会です。作品とともに楽しんでください。要入館料。
◆作家在館日:会期中の木曜日・土曜日 いずれも13時~16時
・来館者に作品解説や制作過程などをお話します。
問合せ:弥彦の丘美術館
【電話】94-4875
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