◆当事者インタビュー
『全ての人が生きやすい社会へ』
LGBTQここラテにいがた 代表 あやかさん
▽きっかけはパートナーとの出会い
自分の性を意識したきっかけは、今のパートナーに対する自分の気持ちに気付いた時です。
高校の時に同性の先輩に対して、憧れか恋愛か分からない微妙な感覚の好意を持ったことがありました。当時はLGBTQ+という言葉も知らなかったので、よく分からないまま過ごしました。その後は異性と付き合ったこともあり、自分の性を特には気にしていませんでした。
でも今のパートナーと出会って、「友達としての好き」だけじゃないと思った時に、「高校の時もこの感覚あったな。私は女性も恋愛対象になるんだ」と気付きました。
▽周りにいるということを心の片隅に
カフェで、「同性同士って気持ち悪い」という会話が聞こえてきた時はショックでした。本人が言わない限り性的指向は他人に分からないので、「性的マイノリティは自分の周りにいない」と思う人は多いと思います。でも必ず周りにいて、いない前提の無意識の発言に傷つく人もいます。
性的マイノリティの当事者も皆さんと同じく新潟で普通に生活しています。特別扱いしてほしいわけではなく、必ず周りにいるということだけでも心の片隅に置いておいてもらえたらいいなと思います。
▽どんな人も「当たり前」に生きやすいまちへ
今まで知らなかったことをすぐに理解することは簡単ではないと思います。多くの人に、少しずつでも性のあり方を考え知ってもらうことで、当事者がいることが「当たり前」と思ってくれるようになったらうれしいです。そして当事者だけでなく、誰もが生きやすいまちになってほしいです。
自分の性で悩んでいる人がいたら、1人で悩まず、私たちのような団体や行政の相談窓口に相談してみてください。
▽[check]LGBTQここラテにいがた
新潟にいるLGBTQ+の人たちの居場所づくりや周知活動を行っている団体。
10代~23歳までの若い当事者の交流の場を提供している、別団体「にじーず」とも連携。
◆一人一人にできること
悪意のない無意識の言動でも、誰かを傷つけ、つらい思いをさせているかもしれません。できることから始めてみましょう。
(1)性別を限定しない言葉を使う
今まで特に気にせず使っていた言葉を少し言い換えるだけで、気持ちが楽になる人もいます。
言い換えの例
彼氏、彼女→恋人、パートナー
(2)差別的な言動はしない・同調しない
当事者はもちろん、第三者に言ったり、SNSに書き込んだりすることもしてはいけません。誰かが差別的な言動をしていたら、そっと注意するか、話題を変えるなどしてみましょう。
差別的な言動の例
・同性同士で仲が良いことを冷やかす
・「こっち系?」「オネエっぽい」などと言う→自分と他者の違いは、差別や笑いの対象ではなく互いに認め合うもの
・「うちの職場(学校)には(当事者は)いないよね」などと言う→身近にいないという思い込みは誰かの居場所や安心感を奪っているかも
◆打ち明けられたら
自分の性のあり方を打ち明けることを「カミングアウト」といいます。
カミングアウトをした人は勇気を出して、あなたを信頼して、話してくれたはず。その人の気持ちに寄り添いましょう。
▽打ち明けられたときのポイント
・最後までしっかり聞く
・信頼への感謝を伝える
・勝手に第三者に伝えないことを約束する
▽「アウティング」は絶対してはいけません
アウティングとは、本人の許可なく第三者に話すことをいいます。信頼して打ち明けてくれた相手をひどく傷つけてしまう許されない行為です。
絶対にやめましょう。
◆「アライ」になろう
性的マイノリティの人たちを理解し支援する人を「ALLY(アライ)」と呼びます。アライの存在は、性的マイノリティの当事者に「自分のことを分かってくれる人がいる」という安心感を与えます。
性的マイノリティの人たちのことを知ってアライになり、6色のレインボーカラーを身に着け、アライであることを示してみませんか。
▽アライの声
娘が小学校の自由研究でLGBTQ+を調べた時、私たちにアライとして何かできることはないかなと思ったのがきっかけです。特別なことはしていなくて、レインボーカラーのグッズを身に着けたり、誰も傷つけない言葉遣いをしたりと、小さなことですが意識して生活しています。こうした小さな取り組みが広まって、アライが増えたらいいなと思います。
◆知っていますか?パートナーシップ宣誓制度・ファミリーシップ
新潟市では性的マイノリティのカップルが利用できる制度として、「パートナーシップ宣誓制度」を導入しています。制度自体に法的効力はありませんが、受領証で家族との関係性を証明しやすくなるほか、当事者の心理面にプラスの効果があります。
また、今年1月から宣誓者の親族を登録する「ファミリーシップ」を開始しました。
※詳しくは新潟市ホームページに掲載
▽制度利用者の声
パートナーと一緒に市役所に行って宣誓の手続きをして、職員さんに「おめでとうございます」と言われた時は、思っていた以上にうれしかったです。異性カップルが婚姻届を出したときもこんな感じなのかなと思いました。いつか、日本で同性婚ができるようになったら、ちゃんと結婚したいなとも思っています。
性的マイノリティへの世の中の理解が進み、生きやすい社会になることを願っています。
-Mさん
◆相談窓口
LGBTQ+の人や、その周囲の人も利用することができます。
1人で悩まず相談してください。
▽新潟市LGBTQ+電話相談
日時:祝日を除く第1月曜17時半~20時
【電話】025-241-8510
▽よりそいホットライン
日時:24時間年中無休
【フリーダイヤル】0120-279-338(ガイダンスに沿って「4」を押してください)
※聴覚に障がいのある人は【FAX】0120-773-776
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