沼垂テラス商店街がオープンしてから今年で10年目。商店街の再生に携わった株式会社テラスオフィス代表取締役・田村寛さんが、総務省の「ふるさとづくり大賞」の優秀賞(総務大臣表彰)を受賞することが決定しました。レトロと新しさを持ち合わせるこの商店街に皆さんもぜひ訪れて自分に合った沼垂の過ごし方を見つけてみませんか。
現在は、商店街内に22店舗が入り、周辺ではサテライト店7店舗が営業しています。カフェや雑貨屋、古着屋などが若者に人気を集めています。
[ふるさとづくり大賞とは?]
ふるさとづくりへの情熱や想いを高め、豊かで活力ある地域社会の構築を図るため、全国各地で、それぞれのこころをよせる地域「ふるさと」をより良くしようと頑張る団体や個人を表彰するものです。受賞式は2月16日(金)に東京で開催されます。
◆シャッター通りを若者でにぎわうまちへ
田村さんは、約10年前に市場だった長屋をすべて買い上げ、株式会社テラスオフィスで商店街一体の管理を開始。商店街のコンセプトとして「ここでしか出会えないヒト・モノ・空間」「古くて新しい沼垂」を掲げ、歴史や文化を守りながら各店舗の魅力を引き出していきました。さらに、付近の空き家を活用し商店街のサテライト店舗として「沼垂テラス・エフ」を展開し、現在はカップルや家族連れがにぎやかに行き交う場所となっています。ふるさとづくり大賞では、こうした空き家・空き店舗の活用による雇用創出とオリジナルの商品開発や、統一したコンセプトによる商店街の管理、商店街にとどまらず地域全体に効果を波及させている点などが評価されました。
※商店街名物として誕生したお菓子「沼ネコ焼き」は、沼垂の地域猫をモチーフにしたオリジナル商品。
◆受賞を受けて
・株式会社テラスオフィス代表取締役 田村 寛さん
これまで支えてくれた会社スタッフ・家族・商店街のメンバーや関係者の皆さんの協力と、この場所を好きになり訪れてくれた皆さんのおかげで受賞できたと思っています。ありがとうございます。
この地域の再生に向けて活動を始めたきっかけは、東京から地元に戻ったときにまちの活気が薄れている状態を見て、幼少期に見ていた活気を取り戻したいと思ったことと、活気がなければ周辺の個人商店の存続も危ういと感じたことでした。最近は再び多くの人が訪れるようになり嬉しく思います。誰もが、ここに住んでいてよかった、楽しいと思えるまちであり続けるよう、これからも再生から進化に向けて挑戦し続けていきます。
〔Before〕
昭和34年の沼垂市場…青果物や漬物、衣料品の店舗が立ち並び、買い物や飲食をする人であふれていました。
平成23年ごろの旧沼垂市場…高齢化や大型店の郊外進出により市場が衰退し、シャッター通りとなっていました。
〔After〕
・しごと場 灯台-Toudai-…打ち合わせや学習ができるコワーキングスペース。共有スペース、キッチン、個室が設けられています。
・青人窯(あおとがま)の陶芸体験…商店街には、ものづくり体験ができる工房が複数あります。
・なり-nuttari NARI-…沼垂テラス・エフの一つであるゲストハウス「なり-nuttari NARI-」は、宿のほか宿泊者以外の人も使えるbarスペースとイベントなどに使えるレンタルスペースがあります。オーナーの高江さんは、「地域内に商店街や銭湯、八百屋など生活に必要な要素と、酒造・味噌蔵など県外客を招く要素があり、面白いまちだと感じています。開業時から商店街の皆さんにサポートしていただき、現在では老若男女問わずたくさんの人が来てくれるようになりました。今後もイベントやお茶会、ワークショップなどができるレンタルスペースを活用し、さらに人が行き交う場にしたいです」と話していました。
※詳しくは本紙をご参照ください。
◆沼垂テラス商店街
所在地:沼垂東3
アクセス:「沼垂四ツ角」バス停から徒歩2分、「蒲原町」バス停から徒歩5分。専用駐車場はありません。
沼垂テラス商店街に関することは、ホームページ(本誌二次元コード)から確認できます。
▽今後のイベント
・沼垂テラス冬市
日時:2月4日(日)午前10時~午後2時
3月までの第1日曜に開催
問い合わせ:株式会社テラスオフィス
【電話】384-4010
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