今年も女池菜が旬の季節になりました。おひたしや炒め物などにするとおいしい女池菜。区内で栽培されるこの郷土野菜を守ろうと、生産者の皆さんが日々懸命に育てています。女池菜生産組合の組合長と若手の生産者に話を聞きました。
■特徴
出荷時期:12月上旬~3月下旬
生産地:鳥屋野地区
歴史:明治中期に当時の鳥屋野村女池の名主・新田半人(にったなかと)氏が小松菜を元種とした種子をもらい受けたことをきっかけに女池一帯に広まったといわれています。現在は、女池菜生産組合に加盟する41人の生産者が郷土野菜の継承に力を注ぎ、厳しい出荷基準をクリアしたものだけを出荷しています。
おいしさのヒミツ:女池菜は小松菜の仲間でとう菜の一種です。冬の寒さで凍結しないよう茎や葉に糖を蓄えるため、寒くなればなるほど甘みが増します。
■どこで買えるの?
▽主な販売場所
・キラキラマーケット(いくとぴあ食花内、清五郎336)
・本町6商店街(本町通6番町)
・市内スーパー
※取り扱いがあるかは各店に問い合わせてください。
■生産者がおすすめするおいしい食べ方
・大坂 敬一郎さん
私は、おひたしの上にかつお節ではなく「かんずり」をのせ、かき醤油をかけて食べています。お酒にぴったりですよ!
「区だより担当者も簡単に作れました」
・山岸 信一さん
茶わん蒸しやだし巻き卵に入れたり、卵とじにしたりすると、子どもでもおいしく食べられると思います。また、醤油ラーメンの上にのせてもしっかりとした味と歯ごたえを感じられますよ。
■生産者にインタビュー
●よりよいものを届けるために
▽女池菜の未来を支える若手
女池菜生産組合
大坂(だいさか) 敬一郎さん
・就農のきっかけ
実家が農家なので昔からいつかは継ぐつもりでいました。一度、建設業に就きましたが、26歳のころに就農しました。
・おいしいものを届けるための努力
販売される女池菜の品質にばらつきがないように、選別作業は特に丁寧に行っています。家族で1日約100束を選別しますが、すべて手作業でやっているんですよ。
・次世代につなぐために
女池菜は9月に種まきをして冬から春にかけて収穫をします。大雪が積もると除雪作業に追われたり、天候により出来が左右されたりするため、大変なこともありますが、伝統ある女池菜を次の世代に渡していけるよう頑張っていきたいです。
「今年の出来はバッチリです!ぜひ、一度味わってください!」
▽組合長として生産の中核を担う
女池菜生産組合 組合長
山岸 信一さん
・品質を守る工夫
2カ所のビニールハウスで種だけを専門に作る人がいるんです。交配を防ぎ、出来の悪いものを間引くことで一定の品質を保っています。
・給食として子どもたちへ
出荷時期に月2回程度、給食用として地元の学校にも出荷しています。また、学校に出向き女池菜の説明をするときもあります。給食をきっかけに地域に愛される身近な野菜になれば嬉しいです。
・おいしいものを作り続ける
形がよくできたり自分が食べておいしかったりすると自信とやりがいになります。これからもおいしい女池菜を食べてもらえるよう頑張りたいですし、後継者となる若手の生産者も増えてくれたらと思います。
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