今年もル レクチエの季節がやってきました。甘みが濃くとろりとした食感、芳醇な香りが楽しめるル レクチエはこの時期だけしか味わえない特別なフルーツです。
フランスから新潟に渡ってきたル レクチエは国内でも生産量は少なく「幻の西洋ナシ」と呼ばれています。
今年の解禁日は11月22日。最後の追熟作業まで丁寧に育てられたル レクチエを、ぜひ召し上がれ♪
◆庄瀬地区でル レクチエ栽培をしている高清(たかせい)農園。2代目の下川美樹(しもかわみき)さんにル レクチエのあれこれを聞いてみました。
これを読んでもっとおいしくル レクチエを味わいましょう!
ル レクチエ栽培農家
高清農園 下川 美樹さん
家族みんなでル レクチエづくりをしています♪
▽農園を継いだきっかけを教えてください!
父の作ったナシやル レクチエが大好きで、ずっと残していきたいと思ったからです。父に「農園を継がないか?」と言われたときに「こんなにおいしいものがなくなるのはもったいない!」と農園を継ぐことを決意し、令和2年に農園を継ぎました。
▽今年のル レクチエの出来はどうですか?
昨年よりも収穫量が少し減っていますが、味は例年通りおいしいル レクチエが楽しめます。大玉から小玉までそろっていますよ。
▽ル レクチエの魅力を教えてください!
何と言っても、濃厚な甘みととろけるような食感です。熟すと包装されていても漂う甘い香りが楽しめるのもル レクチエの魅力だと思います。
▽収穫日(10/18)から解禁日(11/22)まで1カ月ほど期間があるのはなぜですか?
収穫後、ル レクチエをおいしく完熟した実にするために「追熟」という作業が必要だからです。実が緑色のうちに収穫し、追熟をスムーズに進めるためにいったん冷蔵庫に入れる予冷処理をした後、常温で追熟をします。気温が高いと追熟が早く進んでしまうので、外気の温度で追熟期間を計算して食べ頃まで「あと少し」という状態で出荷します。この作業がなかなか難しいんですよ!
(1)収穫
(2)予冷庫(冷蔵庫)へ
(3)追熟
(4)出荷
下川さんの農園は、ル レクチエ用に5坪の予冷庫があるんだって!すご~い!
▽見逃さないで!食べ頃サイン
・色…パステルイエローややまぶき色
・軸…細かいしわが出て黒ずんでくる
・香り…甘い香水のような芳醇な香り
追熟が進むにつれて味や食感が変わっていくよ。
自分の好きな食べ頃を見つけてね♪
◆下川さんから教えてもらいました ル レクチエ年間スケジュール
ル レクチエの栽培は全作業が大変です。枝の剪定(せんてい)、摘果、袋掛けなど、ほぼ全てを手作業で行っています。病気にかかりやすいので、状態の変化をすぐ見つけられるように常に観察は怠りません。傷みやすいル レクチエは丁寧な作業と綿密な管理が必要です。お歳暮など贈り物になることも多く、お客さんに一番おいしくきれいな状態で食べてもらえるよう一つ一つ大切に育てています。
○4月 花粉付け
機械で一気に花粉を舞い上がらせて受粉させます。花粉が見えにくいので受粉できているかドキドキします。
○5月 摘果作業
実を大きく・味を良くするため、小さいうちに摘果(間引き)をします。良い実をつけるために早めに作業することが収穫で重要になります。
○6月 袋掛け
実が落ちやすいので丁寧に!袋の中に葉っぱが入ると実が変色するため、注意して作業しています。暑くなってくるので、この頃から段々と作業が大変になっていきます。
○8月 新梢(しんしょう)管理
ほうき枝(上に大きく伸びている枝)の剪定をします。ほうき枝が長く伸びていると日当たりや農薬のかかりが悪くなってしまいます。
○10月 収穫→予冷
収穫後、形や大きさ、表面の汚れなどで選別をします。大事な実を傷つけないよう慎重に扱います。
予冷庫に入れ、出荷の20日前ごろを目処に出して追熟させます。
○11月 出荷≪プリムール≫
食べてもらうときに一番良い状態になるように計算して、出荷します。
○1月から3月
枝の剪定
ル レクチエの花芽が付くまで2年掛かるので翌年、翌々年はどこに枝を伸ばしていくか・どこに実をつけると良いのか考えながら作業をします。良い枝を作ることは良い実ができるかどうかに関わる大事な作業です。枝が多くても少なくてもダメなので難しいです。
解禁日から12月上旬までに区内で生産されているル レクチエの約9割が出荷を終えます。
この時期にしか味わえない「幻の西洋ナシ」を、ぜひ食べてください♪
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