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自治体の皆さまへ

ラムサール条約湿地自治体認証から1年 佐潟と共に

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新潟県新潟市西区

■これまでもこれからも自然と共生できる場所へ

佐潟の魅力はなんでしょうか。1,000種を超える動植物・昆虫の楽園であること?漁業や農業で昔から地域の人たちの生活を支えていたこと?美しい風景?どれか一つではなく、その全てで共生できることが佐潟の魅力ではないでしょうか。そんな佐潟を次世代につなぐため、多くの人が活動しています。

◆佐潟のハスを取り戻したいハス復活プロジェクト
新潟県立植物園 久原 泰雅(佐潟と歩む赤塚の会)
◇活動のきっかけを教えてください
平成30年から佐潟下潟でハスが見られなくなりました。その年に行われた「佐潟の将来をみんなで考えるワークショップ」で2050年の佐潟像がテーマとなりました。そこでは「ハスが楽しめる佐潟」という意見が多く挙がりました。佐潟に関わる多くの人にとってもハスは将来に残していきたいものだと知り、「佐潟と歩む赤塚の会(以下同会)」の人たちと話し合い、活動を行うことにしました。

◇いつから活動を開始しましたか
令和2年に、新潟市からも協力いただき、同会で試験的にハスの苗を育て始めました。結果、ハスを育てることが可能だと分かったので、佐潟下潟のハス復元を目指し、地域の人や行政の理解を得ながら、地元の赤塚小学校からも協力いただき、令和3年の春から「ハス復活プロジェクト」(コミュニティ佐潟、佐潟と歩む赤塚の会)として活動を開始しました。

◇活動内容を教えてください
ハスの実は1000年以上生きると言われています。佐潟に残されているハスの実から種を発芽させ、苗を育てて佐潟に植え戻す作業をしています。野鳥観察舎脇のハス田ではよく育ち、花も咲かせましたが、下潟に植えたところ苗は育ちませんでした。しかし、令和5年の春に佐潟の水位を下げ、木枠を作り育てたところ、花を咲かせることができました。
赤塚小学校では、ハスを育ててもらうだけでなく、授業を通じて佐潟の魅力や現在の問題なども伝え、佐潟をより身近に感じてもらえるよう努めています。同会のメンバーからは潟舟に乗る体験も行ってもらい、児童たちはとても喜んでいます。

◇活動して感じたことを教えてください
佐潟は、人間が潟の恵みを享受することで守られてきた「里潟」。ハスはその象徴だと思います。現在、ハスが見られなくなったことのほかにも、水質の悪化、外来種の増加などの問題があります。それらをみんなの力で改善していけば、ハスだけでなく里潟としての「佐潟」が息を吹き返すのではないかと考えています。

◇活動を通じて佐潟に関わる人にメッセージをお願いします
佐潟は多くの生き物が共生していて、人間もその一員であることが魅力だと思います。私も佐潟に関わり始めた頃から、人と佐潟のつながりや魅力を多くの人から学んできました。みんなとても熱心で、佐潟のことを心から大切に思っているのが伝わりました。それだけに、現在のハスが見られなくなった姿をとても残念に思います。この活動を通じて人と佐潟のつながりや、人と自然は共に支え合うものであることを次の世代にも伝えていければと思っています。

◆佐潟の魅力を伝える
佐潟ボランティア解説員 斎藤かや子
▽解説員になったきっかけを教えてください
生態系に興味があって平成14年ごろから佐潟に行き始め、観察会に参加しました。いろいろ教えてもらえて、面白くてずっと通っていました。平成24年に解説員の募集があり、始めることにしました。

▽解説員のやりがいを教えてください
「今まで、佐潟を歩くだけだったけど、解説を聞いて楽しかった」、「今まで目に入らなかったものが見えるようになった」と喜んでいただけた時はとても嬉しいです。多くの人に自然の素晴らしさや大切さを知って欲しいと思っています。

▽佐潟の魅力を教えてください
佐潟は冬のハクチョウが全国的に知られていますが、それだけでなく潟・湿地・草原・林などの多様な環境があり、それぞれの環境に合った動植物などを1年中楽しむことができます。特に乾田化や湿地の減少で数を減らしている植物や昆虫などの大切な生息地でもあります。

▽観察会に参加される人に向けて一言お願いします
この世界は人間だけのものではなく、人間とはまったく違った生き方をしている動植物たちとの共生で成り立っています。野鳥の個性的な生き方や、植物の驚かされる生存戦略、昆虫たちの小さくても巧みな生活ぶりなどを一緒に観察し、そしてみんな関係しあって生きていることを知ってもらいたいです。
自然はもろいもので、気が付いたらいつの間にか見られなくなった動植物がいたりします。そんなことも少し考えながら一緒に楽しく観察しましょう。

◆冬の静けさに響くさえずり・舞う羽音 冬鳥ウオッチングで自然の詩を聞こう
佐潟に訪れる冬鳥たちをボランティア解説員と一緒に見に行きませんか。いろいろな冬鳥たちが皆さんをお待ちしています。
日時:12月2日(土)午前7時~9時
集合場所:佐潟水鳥・湿地センター
定員:先着12人(小学生以下は保護者1人同伴)
持ち物:筆記用具、屋外で活動できる服装、双眼鏡(貸出可)
申し込み:8日(水)から電話または直接同センター

佐潟に訪れる冬鳥の名前わかるかな?
今年は10月7日に佐潟に来たよ

※答えは本紙2面欄外
佐潟に訪れる冬鳥の名前答え:
(1)コハクチョウ(2)コガモ(3)ミコアイサ(4)マガモ(5)ジョウビタキ(6)ツグミ

市報3面でも、佐潟を紹介しています。

問い合わせ:佐潟水鳥・湿地センター
【電話】025-264-3050
※月曜休館、祝日の場合は翌日

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