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自治体の皆さまへ

考えよう男女共同参画の防災~災害リスクを軽減するために~

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新潟県新潟市西蒲区

■令和5年度 西蒲区男女共同参画地域推進員企画事業

◆子どもがいる世帯編
男女共同参画の視点を交えながら、防災に関する対談を行いました。2月18日号に続き、今回はパート2です。
いつ起こるか分からない災害。小さな子どもがいる世帯の皆さんは、防災についてどのように考えていますか。母親だけ、父親だけで考えるのではなく、家族で防災について考えなければいけません。日頃から気を付けるべきことを、この事業を企画した西蒲区男女共同参画推進員と、本事業のアドバイザーである指田さんが、防災士の青柳さん、中之口・潟東圏域支え合いのしくみづくり推進員の谷原さんから聞きました。

講師:
・防災士 青柳 麻紀さん
学校、自治会、企業の防災講座・講演・訓練等の講師しています。
誰でも気軽に防災を意識するきっかけ作りの場として、イベントで各種体験会を行っています。
・中之口・潟東圏域支え合いのしくみづくり推進員 谷原 寛子さん
住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、地域での支え合いが大切になってきます。地域での支え合い活動を進めるために、皆さんと一緒に考えていきます。
・西蒲区男女共同参画推進員
小島 貴子さん
廣川 吉浩さん
堀井 正さん
・本事業のアドバイザー
指田 祐美さん

◇家族で参加!地域の避難訓練
・堀井さん(推進員)
私の地域では、避難訓練をしても小さい子どもがいる世帯の参加率は低いです。どのようにしたら参加してもらえるのでしょうか。

・青柳さん(講師)
以前、区内の中学校で、地域住民を対象とした防災訓練を行ったとき、訓練の中にかるたや工作などの遊べるものを取り入れたら、小さい子どもを連れた保護者が多く参加してくれました。主催者側の工夫で、参加率が上がるかもしれません。

・小島さん(推進員)
小さい子どもを連れて避難訓練に参加するのは、なかなかハードルが高いですよね。「騒いでしまったらどうしよう」「泣いてしまったらどうしよう」と、保護者からすると不安が大きいと思います。

・青柳さん(講師)
実際に災害が起きたら、避難所に行かなければならないケースもあります。大変かもしれませんが、その大変さを一度経験すると、いざというときの対応も変わると思います。ひとつの経験が、ひとつの安心に変わります。
母親は子どものお世話があって、父親しか参加できないという話をよく聞きます。ハードルは高いかもしれませんが、ぜひ一度家族で参加して、防災について考えてほしいです。

・谷原さん(講師)
小さい子どもを連れて参加することは、ほかの参加者の訓練にもなりますし、地域の人に子どもの存在を知ってもらうきっかけにもなります。いざというときは多くの人の助けが必要になるので、「あそこの家に、小さい子どもがいたな」と、手を差し伸べてもらえるかもしれません。

・小島さん(推進員)
災害時における男女の違いはありますか。

・青柳さん(講師)
災害時は、まず人命が優先されます。「炊き出しや掃除は女性」と言われたり、トイレや授乳、性暴力などの女性に関わる問題が現れるのは、避難所運営からです。そういった問題を防ぐために、避難訓練には男性も女性も参加することが大切です。

◇避難所に育児グッズはあるの?
・小島さん(推進員)
避難所にはどのような育児グッズが置いてあるのでしょうか。

・青柳さん(講師)
避難所によっては、多少あるところもあるかもしれませんが、基本的にはないと思ってください。

・廣川さん(推進員)
避難所に置いていないのであれば、避難する際に何が必要か、家族で考えて用意しておかなければいけませんね。

・青柳さん(講師)
そうですね。「母親だから」「父親だから」と言わず、家族で子どもの分の避難グッズを考えてほしいです。
「避難するときは、最低3日分、自力で生き抜ける物資をそろえておきましょう」と言われています。育児グッズに限らず、非常持ち出し袋などで用意するべき防災グッズには、100円ショップで購入できるものもあるので、避難グッズを用意する際の参考にしてほしいです。

・指田さん(アドバイザー)
おむつが1日に何枚必要か、子どもがどのようなおもちゃだと喜ぶかなど、普段から育児をしていないと分からないことも多いですよね。

・青柳さん(講師)
普段の生活が、いざというときに必ず生きてくるので、母親しか分からない、父親しか分からないということがないように、普段から協力して育児をすることが大切ですね。

◇物資を受け取るには避難者カードが必要
・堀井さん(推進員)
育児グッズなどの物資がなくなったときは、誰でも受け取ることができるのでしょうか。

・青柳さん(講師)
避難所で物資を受け取るには、避難者カードが必要です。「個人情報だから出せません」という人もいますが、いざというときに支援を受けることができなくなってしまいます。
新潟市のホームページで「避難所運営」と検索すると、避難者カードの様式や、マニュアルが出てきますので、ぜひ見ていただきたいです。地域によっては、独自の様式で用意しているところもあります。自治会長などに確認してみてください。
家族構成や健康状態など書く項目が多いので、練習としてまずは一度書いてみてほしいです。

◇日頃からのコミュニティが大切
・廣川さん(推進員)
区役所だより2月18日号で、高齢者世帯の防災についての対談を掲載しましたが、そのときに「普段から、ほんの少し、気にかけて、気づいたことを共有できると良い」とありました。小さい子どもがいる世帯の人も同じですね。

・谷原さん(講師)
私が産休に入ったとき、離れたところに引っ越したので近所が全然分からない時期がありました。そのときにたまたまハザードマップが配られて、内容を見て初めて家のすぐ目の前まで土砂が来るということを知りました。
それで実際に大雨が降って、自宅の2階に避難したのですが、当時は近所のお付き合いがあまりなかったので、とても不安な思いをしました。日頃からのコミュニティがとても大切だと実感しました。

※100円ショップで購入できる防災グッズの例
・目隠しポンチョ
・レインコート
・スリッパ
・折りたためるコップ
・温めずに食べられるレトルト食品
・ライト
・紙おむつ用圧縮袋
・体拭き
・ガーゼハンカチ

※災害備蓄に関する情報は本紙二次元コードをご覧ください

問い合わせ:地域総務課企画・地域振興グループ
【電話】0256-72-8143

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