■村上市の自殺の現状
市では、平成30年から令和4年までの5年間に、67人が自殺により命を落としています。このうち70歳代以降は31人(46・3%)と、高齢者が多い傾向にあります(表1)。
▽表1 平成30年~令和4年市年代別・男女別自殺者数(単位/人)
■高齢者の自殺の原因
高齢者の自殺の原因は、健康問題(身体の病気、うつ病など)や家庭問題(家族の死亡、家族関係の不和など)が上位を占めており、「喪失体験」や「社会的孤立」に絡んだ出来事が引き金となっている場合が多いです。
自殺はさまざまな問題や悩みが複雑に関係し、心理的に追い込まれることによって起こります。また、自殺する前に、うつ病などの症状が現れる人も多くいます。
■高齢者のうつ病の症状
高齢者のうつ病は、気分低下やうつ思考よりも「体がだるい」「食欲がない」などの身体的な訴えが目立ちやすい傾向があります。さらに、「物忘れ」などの症状も見られるため、認知症と間違われやすく、本人も周囲も不調に気づかないうちに状態が悪化し、最終的に自殺に至る可能性があります。また、認知症と比べて、何かの約束をしたことは覚えているが日付などの一部を忘れる、家事などの手順は分かるができないなどの特徴があります。
■大切な命を守るために
高齢者のうつ病は自覚しにくく、周りから見ても分かりにくい傾向があります。そのため、「いつもと違う」状態に気づくことが大切です。
表情が暗い、口数が減ったなどの状態が続いている人が周囲にいたら、声をかけて話を聞き、下記の相談機関につなぐなど、見守りにご協力ください。
表2は、こころの不調のサインです。これらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障が出ている人、身体や心の不調などで悩んでいる人は、まずは身近な人や相談機関に相談しましょう。
▽表2 こころの不調のサイン
□気分が落ち込み、憂鬱(ゆううつ)になる
□楽しみにしていた活動に興味がなくなる
□普段より食欲が落ちた、または増えた
□ほとんど毎晩眠れない
□話し方や動作が遅いと指摘される
□いつもより疲れやすい
□自分は価値のない人間だと感じる
□物事に集中できなくなっている、考えがまとまらない
□死について何度も考えるようになっている
■相談機関
新潟県こころの相談ダイヤル【電話】0570-783-025
村上保健所【電話】53-8369
保健医療課健康支援室【電話】53-3364
介護高齢課地域包括支援センター【電話】75-8937
各支所地域振興課地域福祉室
・荒川【電話】62-3104
・神林【電話】66-6113
・朝日【電話】72-6887
・山北【電話】77-3113
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