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市長随想

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新潟県柏崎市

■ドイツの心・柏崎の光
市長 櫻井雅浩

令和6(2024)年、明けましておめでとうございます。
昨年11月、ドイツを訪れた。ノスタルジー(郷愁)めいたものを残しながらも、脱原発を実践している工業国。ベルリンの壁が壊され、東西が統一されてから早いもので34年目を迎える。前首相は東ドイツ出身、物理学者メルケル氏である。移民、経済、エネルギーそれぞれの施策において決然と断を下した。
現在、再生エネルギーによる電源は50%を超えている。以前は原発による電力を隣国フランスから輸入、というイメージも強かったが、2022年、そのフランスでは多くの原発に不具合が見つかり、電力が不足し、ドイツから供給を受けた。
フクシマ後、脱原発、再エネに舵を切り、環境意識の高いドイツだが、石炭など火力発電にも依然頼っているという厳しい現実は日本と同じ。
訪れた自治体で、移民が多いこと、所得が上がってこないこと、原発という地域電源が失われたので、数百キロ離れた北部から風力による電力供給を受ける計画であることなど率直なところを伺った。
5年前にプライベートで訪れたのはワイマールである。人口6万人余り、大きくはない。しかし、品格を感じさせる町であった。その名を冠し当時最も民主的と言われた憲法。古くは作曲家バッハが過ごし、文豪であり政治家でもあったゲーテ、劇作家シラーなどが活躍したドイツ古典派の拠点。街の各所にはゲーテの格言が記されている。
「古いものを誠実に守る心 新しいものを正しく捉える心を育てよ」
「もっと光を」
ゲーテが残した最後の言葉だといわれています。誰もがそう願います。困難な時代です。現実を見極め、理想を求める。今年一年、皆さんと共に柏崎の光を見いだしていきたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。

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