■男子化粧室
市長 櫻井雅浩
出張が重なる。毎週のように東京に行くのだが、最近気付いたことがある。新幹線車両内に「男子化粧室」表示があった。もちろんトイレのことであるが、やはり少し考え込んだ。
今年も柏崎商業高校同窓会の東京支部総会にお招きいただいた。市内高校同窓会の東京支部からはそれぞれお招きいただくが、商業のものが規模的には一番大きい。会場である下町のホテルに向かう道すがら、4人の小学生が何か話している、もめている光景に出くわした。女の子が3人、男の子が1人である。大事に至ってはいけないと思い、近くの店先で買い物をするふりをしながら話を聞いていた。誰かが代表して何か勇気ある行動を取らなければならないようである。
女の子たち「○○、あなた男なんだから行ってきてよ!」「そうよ」
男の子「先生が男だから女だからって言っちゃダメだって言ってたよ」
結末がどうなるのか気になったが、約束の時間が近づき、商業の同窓会に向かった。
その柏崎商業高校は、柏崎農業高校、柏崎常盤高校被服科と共に統合され、柏崎総合高校になったのは皆さまご承知のとおりである。商業の校舎は柏崎翔洋中等教育学校のものとして使われ、その翔洋は新潟県から令和8(2026)年度に生徒の募集を停止する方針が示されている。
「クマが洗面所に立てこもったんだって!」「ん?クマがなんで洗面所に⁉」「アジア大会で優勝だって!」「クマがアジア大会で優勝?」「あっ、クマの話題はもう終わった!」「……」
よくある我が家の会話である。いつの間にか話題が変わっている。自分の意識と他人の意識において齟齬があり、スピード感に違いがある。
今まで当たり前であったものが、当たり前でなくなっていく時代である。違和感を持っていたことが普通になっていく時代である。加えてそのスピードは著しく速い。その良し悪しに関してもさまざまな考えや認識があろうけれども現実である。私も化粧を始めようかしら。
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