■ウルトラマンティガ
市長 櫻井雅浩
元日の地震、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。いよいよ不確実な時代、予測不能な時代になってきている。地震、航空機事故、高温、豪雪、豪雨、気候変動の激しさ。対応は好むと好まざるに関わらず、急がなければならない。Time is money.(時は金なり)という言葉からTime is life.(時は命なり)という時代に変わってきている。
さて、私は今から25年ほど前、我が子たちと共に「ウルトラマンティガ」を見ていた。最終回近く、その「ティガ」が怪獣との戦いに敗れ、海に没したとき、大人たちはもうだめだ、とあきらめた。しかし「僕が」「私が」と世界中の子どもたちが光となって「ティガ」を復活させるという場面があった。私はいたく心を打たれた。
「もうウルトラマンにはなれないね」
「人間はみな自分自身の力で光になれるんだ」
ヒロインのレナと、最後の戦いに勝利し、ウルトラマンから人間に戻ったダイゴの会話である。
吉野弘さんに「早春のバスの中で」という詩がある。お母さんになる若い女の人が生まれてくる赤ちゃんのために白い小さな毛糸の靴下を編んでいる光景を描写したものである。吉野さんは「まるで彼女自身の繭の一部でも作っているように」と書いた。そして、こうまとめた。
「彼女にまだ残っている
少し甘やかな「娘」を
思い切りよく
きっぱりと
繭の内部に封じこめなければ
急いで自分を「母」へと
完成させることができない
とでもいうように 無心に。」
著しい出生数の減。私たち自身が「光」となるため、封じ込めるものは何か?必要なものは何か?
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