■今こそわかれめ
市長 櫻井雅浩
先月、じょんのび村において、連合東京様に感謝状を差し上げた。30年にわたり、高柳の各地区において「雪掘り」ボランティアをしていただいていることへのものである。
「ちなみに東京においては雪かきと言うかもしれませんが、柏崎では『かく』のは恥だけで、ホゲルと言います。漢字は放下だと思われます。一応、元国語教師なんで」と得意になってごあいさつ申し上げた。直後に高柳の方から修正が入った。「先ほど市長からは『雪ホゲ』とありましたが、高柳ではさらに雪が深いものですから、下に放つ、ではなく、『雪掘り』なんです。下から上に掘り起こすんです」全くおっしゃる通りです。文字通り恥をかいた。
70人余りの若い東京メンバーとの歓談は楽しかった。おもちゃメーカーに勤務の女性がいらっしゃった。「そういえば東京時代の教え子にリカちゃん人形を担当している女性がいたなあ。確か名前は○○さんだったかなあ?」「ええっ!私の会社、私の先輩です!」「ええっ!ええっ!」
あまりにも偶然、34年ぶりのビックリであった。本当にうれしい出会いであった。
一転して3月は一般的には別れの季節である。卒業式は象徴的だ。高柳小学校は最後の卒業式であり、閉校式もある。私も参列する。子どもたちも保護者も地域の方々の思いもさまざまであると拝察している。
朝夕慣れにし 学びの窓
蛍のともし火 つむ白雪
忘るるまぞなき ゆくとし月
今こそわかれめ いざさらば
ご存じの通り「仰げば尊し」結びである。「今こそ分かれ目」と勘違いしていた期間もある情けない元教師だが、正しい意味「今こそ別れましょう いざさらば」をかみしめている。涙と共に新しい出会い、可能性に向かう凛(りん)とした決意が存在すると信じながら。
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