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自治体の皆さまへ

令和6(2024)年度 施政方針

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新潟県柏崎市

市長が議会で、その年の市政運営の方向性を示す「施政方針」。2月議会で、市長が述べた施政方針演説を紹介します。
令和6(2024)年度の事業内容は、(本紙)6~7ページをご覧ください。

■[はじめに]危機感の中から可能性を見いだす
令和6(2024)年度当初予算をご審議いただくに当たり、柏崎市民の皆さま、市民の代表たる柏崎市議会の皆さまに施政方針を申し述べます。
今から46年前、1978年、『不確実性の時代』という本が出されました。著者は、カナダ出身のアメリカ人経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイス。経済学を歴史的観点から考察したものであり、現代のことを予測して書かれた内容ではありません。しかし、皆さんもご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症、世界で起こっている戦争、地球の気候変動、温暖化、地震など今、正に不確実な時代になってきたように思われます。
昨年夏、個人的にネパールを訪問しました。20年振りでありました。以前、首都カトマンズに目立った日本製の中古車は姿を消し、タクシーにインド製の日本ブランド中古車が使われているだけであり、真新しい車のほとんどは日本ブランドではありませんでした。また、かつて当たり前であった停電は少なく、水力発電による電力の供給が十分なものであり、隣国へ輸出しているという話さえ聞かれました。一方、地球温暖化はヒマラヤにも及び、氷河の溶解、流れ出る水量を心配しているという声がありました。ネパールは国力を増し、活力に満ち、日本の地位は下がり、脱炭素社会、環境問題への取り組みは待ったなしであると実感しました。
11月には、原子力政策において対極的なフランス、ドイツを市長として訪問し、それぞれの自治体の市長と意見交換を行ってまいりました。両国それぞれが理想を定め、現実を見極め、覚悟を決めた施策展開をしていらっしゃいました。エネルギーセキュリティと環境問題への認識、意識の高さは、基礎自治体においても際立っていました。世界は、ダイナミックに動いています。
日本の国内総生産GDPは、アメリカ、中国、ドイツに続き、現在4位、2026年には、インドに抜かれ5位になると言われています。また、一人当たりの労働生産性31位。もちろん、人口も産業構造も異なるわけですが、それぞれの数字は、日本の停滞を意味しています。
少子高齢化の進展による人材の不足、社会保障費の増大、国家財政の悪化、経済の低迷、エネルギー、食糧等の外国依存、気候変動による災害の多発常態化など、わが日本を巡る状態は、非常に厳しいと理解しています。そして、これらは、ほとんど柏崎にも当てはまる「確実な事実」であります。「わかっている」しかし、私を含め、見過ごし、行動に移さなかったがゆえに、今の日本、柏崎の姿になってしまったように思われます。象徴的な事柄がエネルギー施策です。日本においては、柏崎においては、反原発、再生可能エネルギーだけではだめなのです。原発だけではだめなのです。思考停止、ステレオタイプから脱し、現実を見据え、危機感の中から柏崎の可能性を見いだすための予算を編成いたしました。

■[むすび]新たな可能性、光を求めて進む
先日、「柏崎の花―Spring Collection 2024」を開催し、5日間で3千人を超える方々から、絵画、生け花、ちぎり絵、大崎の雪割草など、花の競演をお楽しみいただきました。また、市内温泉旅館にもご協力いただき、冬場の観光需要創出の糸口ともなりました。真冬に、市内外の皆さまから足を運んでいただいたのです。市民の皆さまの中にも閉塞感が漂う中、一時ながらも華やかさ、明るさ、「光」を期待してご来場いただいたものと拝察しております。
冒頭申し上げましたように柏崎を取り巻く状況、環境は厳しいものがございます。私は従来から「形よりも実質的なものを」「量より質の時代に入っている」と申し上げてまいりました。経済、福祉、教育などあらゆる領域において同様であります。
理想と現実。厳しい現実から目を背けず、理想の光を見失わず、前に進むことが柏崎の使命だと考えております。そして、私たち柏崎市民には可能性、新たな光を求め、自ら歩を進める勇気があると確信しました。
公文書における元号と西暦の併記。柏崎市が平成31(2019)年に始めました。徐々に広がり始めていると承知していますが、いまだ全国では少数派であります。しかし、圧倒的に便利であり、国際化社会において現実的であります。エネルギー行政もしかりであります。原子力発電所に関する見解は分かれるかもしれませんが、昭和49(1974)年、電源立地点における地域振興に関して法整備、いわゆる電源三法が成立しました。その骨子、考え方を組み立てたのは時の内閣総理大臣田中角栄氏と柏崎市長小林治助氏を始めとする柏崎市職員でありました。全国の立地自治体が恩恵を被っています。
柏崎は常に進取であります。
冒頭、ご紹介したガルブレイスの著作から46年前、名著『剣の刃』が書かれました。現代フランスの父とも呼ばれた軍人であり、第18代の大統領でもあったシャルル・ド・ゴールによるものです。
その書き出しは、「現代を象徴するものは不確実性である」と始まっています。そして、そのむすびにはこう記されているのです。
「今こそ、高い理想を見つめる時である。今こそ、己にふさわしい哲学をうちたてる時である」さらに、ドイツの哲学者であり、政治家でもあったゲーテの言葉。
「古いものを誠実に守る心新しいものを正しく捉える心を育てよ」不確実な時代、柏崎は先人が培ってきた歴史、伝統を大切なものとし、しかし、そこにとどまらず、新たな可能性、光を求め確固たる信念の下、進んでまいります。
柏崎市民の皆さま、市民の代表たる柏崎市議会の皆さまのご理解とお力添えを心よりお願い申し上げ、施政方針といたします。

施政方針の全文:市ホームページで読むことができます。
※二次元コードは本紙またはPDF版をご覧ください。

問合せ:総務課
【電話】21-2330【FAX】22-5904

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