■対価17円
市長 櫻井雅浩
えんま市がやってくる。
「さあさあ、皆さん、○○の工場が火事出しちゃって、丸こげ! このペンの山! 給料替わりだって! さすが、18金! 水で洗って、ほらこの通り! あんちゃん、どうだい? 万年筆!」
露店のおじさんは翌年も出ていた。「○○の工場って毎年火事が出るんだあ」と小学生だった私はそのまま信じていた。50年も前の話である。100円。
東京出張が重なるが、少しずつ成果が。北海道など、洋上風力発電からの電力200万kW(原発2基分)海底直流送電、柏崎揚陸、首都圏へ送電・地元利用構想は以前書いた。このほど柏崎地内において海域実地調査が始まった。もちろん乗り越えるべき課題も多いが、総事業費は最大1・8兆円。柏崎地内における事業費は1千億円超が期待される。
その東京出張も調整がかなわず、3時間ほど空く時がある。国会図書館に行った。40年ぶり。入館やさまざまなサービスを受けるにはIDカードを作らなければならない。無料。
せっかく入ったのだから調べ物を、と「綾子舞」をキーワードに一番古い文献を検索してみた。出てきたものが村山善治編『越之海』(三條町、猶興社)。コピーをしてもらった。
内容は上杉房能(ふさよし)が松之山郷天水越(まつのやまごうあまみずこし)にて自刃、夫人綾子が上条に逃れる場面において、編者が「古い文献では雨溝という地で自刃したことになっているが、上条女谷の綾子舞の詞に『てみづの山ぞうらめしき』とあるので、天水をあまみづと読み誤ったのではないか」と注を付けている。
500年前の史実を、1903年、今から121年前の刊行物が解説。カウンターで支払い、17円!今までで一番価値ある17円であった。
えんま市の好天を心より願う。おさい銭、思い切って500円。
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