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4大学1高専×産業界×長岡市 NaDeC BASEから始める人材育成と産業振興(1)

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新潟県長岡市

「米百俵の精神」から生まれた国漢学校の跡地に建ち、野本恭八郎が「産業人の修養の場」として寄付した図書館・互尊文庫が移転したミライエ長岡。先人たちの想いを受け継ぎ、次の100年に向けた人材育成と未来への投資を進める「新しい米百俵」を体現していく場所です。
そして、産学官連携で人づくりと産業振興を進めるNaDeC BASE(ナデックベース)が機能を拡充し、ミライエ長岡の5階で新たなスタートを切りました。オープン初日の7月22日、4大学1高専の学長・校長、長岡商工会議所の会頭と市長が、NaDeC BASEと長岡の未来を語り合いました。

長岡市長・磯田達伸(いそだたつのぶ)
長岡技術科学大学学長・鎌土重晴(かまどしげはる)さん
長岡造形大学学長・馬場省吾(ばばしょうご)さん
長岡大学学長・村山光博(むらやまみつひろ)さん
長岡崇徳大学学長・森啓(もりひろし)さん
長岡工業高等専門学校校長・小林幸夫(こばやしゆきお)さん
長岡商工会議所会頭・大原興人(おおはらおきと)さん

◆NaDeCとは?
長岡(Nagaoka)の中心市街地と4大学1高専の位置を線で結ぶと三角すい(Delta Cone)の形になることから名付けられました

NaDeC BASEは、「NaDeC構想」実現に向けた拠点として平成30年6月に誕生しました。専門分野を学ぶ学生の自由な発想と、企業が持つ幅広い分野の経営資源を融合し、新産業の創出と次代に対応する人材育成を目指す「NaDeC構想」。平成29年11月に当時の3大学1高専から提案を受け、平成30年4月にNaDeC構想推進コンソーシアムを設立しました。その後、長岡崇徳大学が参画し、4大学1高専、長岡商工会議所、市が協力してミライエ長岡で導入する機能や取り組みの検討を進めてきました。

市長:長岡の原点とも言えるこの場所で、新生ナデックベースが始動しました。さまざまな人・異業種が集い、交わるオープンな場とし、長岡版イノベーションにつなげたいと思っています。

造形大・馬場:「NaDeC構想」スタートから現在まで、「米百俵の精神」に基づく長岡の人材育成の軸はぶれていないと感じます。専門の教育機関が集い、行政や商工会議所としっかり連携しているまちは、日本にはなかなかありません。

商議所・大原:日本商工会議所で特に重要とされる課題の一つに「人口減少に直面する地方都市の再生」があります。先日、全国の会頭が集まる場でミライエとナデックベースが新しい地方再生の手法として紹介されました。“学生も参加した産業イノベーションがまちなかで進む”というコンセプトは全国でも珍しく、大きな注目を浴びました。

◆多様な人との出会いがイノベーションを生む
技大・鎌土:今日、ミライエには赤ちゃんから大人まで幅広い世代の方がいます。このような多様な人が集う場こそが、イノベーションが生まれる環境だと思います。

造形大・馬場:ガラス張りのこの会場からも、ワークショップに一生懸命取り組む子どもたちの姿が見えます。これは新たな気づきを得られる空間ですね。

崇徳大・森:ミライエという場所に明日の長岡に対する気概を感じます。

長岡大・村山:ナデックベースはさまざまな設備や部屋がそろっているので、思い思いの使い方ができそうですね。学生や市内外の企業の方が集うことで、新しい取り組みが生まれていく予感がします。

高専・小林:駅から近く、まちなかにあるので、たくさんの人が訪れやすいですよね。こうした場所は自分の専門分野以外の刺激も受けることができ、イノベーションが生まれる可能性を高めます。

技大・鎌土:大学周辺はみんなが寄り添ってコミュニケーションをとれる場が少なく、気楽に訪れてもらえる環境づくりが課題です。例えば、ミライエでメタバース(三次元仮想空間)を使って大学内を体験し、そこで興味を持った若者や技術者、経営者のみなさんに実際に大学へ来てもらえるといいですね。

市長:ナデックベースをまちなかのキャンパスと捉えていただき、さまざまな成果をここで見せていってください。市でも、より多くの人が大学や企業の取り組みに触れ、交流するための仕掛けづくりを進めていきます。

◆コラボレーションから生まれる新たな価値
技大・鎌土:ナデックベースには専門家や企業とのマッチングをサポートしてくれるコーディネーターがいます。その人たちを含めて、企業と一緒に開発から流通・販売までの全体を通したプロジェクトに取り組みたいですね。

長岡大・村山:経済・経営を専門とする本学としても、製造業などのマーケティングの相談にはぜひ協力したいです。

商議所・大原:教育機関との連携は、互いに提供できるものと求めるものがマッチせず一筋縄ではいかない部分がありました。新しいナデックベースでは、みなさんとより近い距離で新たな挑戦ができそうです。

市長:大学や研究機関の方とお話しすると、それぞれの技術を社会実装したい気持ちがあることがよくわかります。高専では、産業界と共に幅広い活動を行い、すでに多くのオープンイノベーションを実践しています。

高専・小林:JICA(ジャイカ)(国際協力機構)や長岡産業活性化協会NAZE(ナゼ)などと行ったアフリカの社会課題解決を目指すプログラムでは、日本オープンイノベーション大賞の内閣総理大臣賞を受賞することができました。評価された点は、地域を挙げた産学連携の取り組みであること。組織の枠を超えることで、大きな成果につながっています。

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