「醸造・発酵のまち」としてにぎわう摂田屋・宮内地区。市外からの観光客も増え、知名度と集客力が高まっています。
住民や地区の事業者が中心となって、さまざまな観光コンテンツを企画。地域の魅力を活かした持続可能な観光まちづくりに取り組んでいます。
◆空き家を活用した店舗の出店を支援
市は、住民の生活環境を保ちながらにぎわいの向上を図るため、同地区の空き家などへの新規出店を支援。制度を活用して2店舗が出店しました。
今後は、隣接する蓬平・山古志地域への周遊促進など、他の観光資源と結びつけ、広域的な観光の活性化を目指します。
◆食と醸造文化を一度に満喫 特別な観光ツアー
2月に開催した、冬の同地区の魅力を極めた観光ツアー「Hakko chef’s table(ハッコウ シェフズ テーブル)」。地区の事業者などでつくる団体「宮内摂田屋method(メソッド)」が企画しました。ツアーには、県内外から18人が参加。まち歩きや、地元レストランのシェフらによる特別なディナーなどを楽しみました。
▽参加者に聞きました
・しょうゆの香りが漂うまちの雰囲気や、おいしいお酒と食に大満足。雪景色も見られて、都会にはない体験ができました。(東京都在住)
・名所が近接していて高齢の私でも観光しやすく、まちの魅力が凝縮されたツアーでした。また訪れたいまちです!(県内在住)
◆携わる人の想いが、まちの魅力に
▽まちの魅力を伝えにぎわいを生む存在に
長岡いも奉行みやうち駅前店
店長 外山 英子(とやま えいこ)さん
いつか自分のお店を持ちたいという夢をかなえるため、32年勤めた会社を退職し、宮内駅前に焼き芋店をオープンしました。子どもの頃よく通った宮内商店街を活気づけたくて、駅前にこだわって物件を探していた時、知人に紹介してもらったのが築80年の古民家でした。市の補助制度も活用し、古材を活かして改装。まちの雰囲気にも合って、とても気に入っています。
食を通して地域を盛り上げようと、塩麹(こうじ)やみそ、しょうゆなど摂田屋地区で作られた調味料を使った商品を提供。地元の人からも好評いただいています。
宮内駅は摂田屋・宮内地区の玄関口。訪れた人にまちの魅力を伝え、さらに興味を持って摂田屋地区に足を運んでもらいたい。両地区をつなげるのも、駅前に構えるこの店の役割だと思っています。大好きなこのまちで、今後も新しいことにチャレンジしていきたいです。
『空き家などへの出店を支援します』
摂田屋・宮内地区の空き家などへの出店を一部支援します。物件を探している人は事前にご相談ください。詳しくは市ホームページで。
▽歴史と新しさの融合で笑顔になるまちへ
機那サフラン酒本舗保存を願う市民の会
会長 水流 潤太郎(つる じゅんたろう)さん
旧機那サフラン酒製造本舗の休日公開や環境整備を行い、この歴史的建造物を後世へつなぐための活動をしています。
近年は、建物の保存から活用へと舵が切られました。代表例が、市が旧機那サフラン酒製造本舗の土地と建物を取得した後、最初に整備した米蔵(こめぐら)。地元食材を使った軽食を提供し、地区の魅力を発信しています。それに呼応するように新しい飲食店が続々と出店。既存の事業者と連携した商品が生まれるなど、にぎわいにつながっています。
訪れた人の「このまち、すてきですね」という言葉は、地元の人の喜びになり、まちづくりへの参加のきっかけになっています。住民・観光客・事業者のみんなが笑顔になるまちが実現しつつあります。
歴史的な建物と新たな要素が融合し発展しているのがこの地区の面白いところ。旧機那サフラン酒製造本舗を拠点に、盛り上げていきたいですね。
『登録有形文化財を通年公開』
旧機那サフラン酒製造本舗の鏝絵(こてえ)蔵内部と庭園を、4月から通年で一般公開します(火曜休館)。
●こころってなーに?展
市内で飲食店を営みながら、絵本・似顔絵作家として活動する、めぐみさんの作品を展示します。
日時:3月6日(木)~4月9日(水)(火曜休館)
場所:旧機那サフラン酒製造本舗・米蔵
問合せ:ミライ発酵本舗(株)
●美術館などをイベントで利用しませんか
4月から、秋山孝ポスター美術館長岡や米蔵、庭園などの施設を、町内会や市民サークルのイベントなどで使用できます。対象施設や利用条件など詳しくはミライ発酵本舗(株)(【電話】86・8545)へ。
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問合せ:観光企画課
【電話】39・2344
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