■令和5年度財政シミュレーション
~持続可能な財政運営に向けて~
村では、持続可能な財政運営に向けて、財政シミュレーションを作成しています。令和3年度に行ったシミュレーションでは、国からの地方交付税が増加したことにより、当面は財政調整基金(村の貯金)を取り崩さずに財政運営できる見込みでした。
その後、昨年度の水害や令和3年度末から顕著になった物価高の影響など、村財政運営をめぐる状況は大きく変化しました。今回は、それらの要因を反映したうえでシミュレーションを行いました。
◇歳入・歳出額の推移
基金(貯金)への積立、取崩しを行わない場合の歳入歳出の推移です。令和5年度と令和6年度は前年度から繰越した災害復旧事業や村で取り組んでいる脱炭素事業の関係で予算規模が大きくなっていますが、以降は50億円前後での決算となる推計です。年々収支は悪化し、令和8年度以降は村有基金を取り崩さなければ黒字での決算はできなくなる見込みです。
◇収支の推移
単年度の歳入と歳出から、村有基金(貯金)への積立、取崩しを行わない場合の収支です。令和5年度は前年度からの繰越財源もあるため額が黒字ですが、以降は年々減少し、令和8年度以降は赤字となります。
実際は、収支がマイナスとならないよう基金を取り崩して対応するため、収支が悪化するごとに基金の残高が減少します。
◇充当可能基金(村の貯金)の推移
充当可能基金(貯金)の残高は、年々減少し、令和7年度以降1.5億円から2億円程度の取崩しが必要となる見込みです。
これは、歳出面では近年の物価高騰の影響や、災害復旧などの地方債の返済額が増加する一方、歳入面では村税や地方交付税が人口減少などによって伸び悩むためです。
◇経常収支比率の推移
財政構造の弾力性を判断する指標で、人件費、扶助費、公債費のように経常的に支出される経費に充てた一般財源が、地方税、普通交付税を中心とする経常的に収入される一般財源に占める割合です。比率が高いほど財政構造の硬直化(自由度の低い状態)が進んでいることになります。物価高騰の影響もあり、全体的に令和3年度推計時より高い値で推移する見込みです。
◇公債費(借金返済)の推移
※支払利息含む
※令和6年度の減少要因は、令和5年度で村民プール建設事業、防災無線整備事業、中学校体育館整備事業などの借金返済が終了するためです。
※令和7年度以降は、令和4年度の水害に対する災害復旧事業や、脱炭素事業の財源として借り入れた地方債の返済が本格的に始まるため高い値で推移しています。
◇地方債残高の推移
※一般会計
令和5年度から令和7年度にかけては脱炭素事業での公共施設の省エネルギー化など大規模事業を行うと仮定した金額で推計しています。毎年の借金返済額を超える借入を行わなければ、地方債残高は減少します。
※特別会計及び公営企業会計
下水道建設分の借金返済が進んでおり、地方債残高は年々減少します。今後は、施設の老朽化に伴い、設備更新によって地方債発行が進むと残高は増加します。
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