■家の外で動き回ろう
坂町病院内科 五十嵐仁
長かった新型コロナウイルス感染症騒ぎもようやく落ち着いてきて、屋外でも活動しやすい機運が出てきました。しかしこの夏はあり得ないくらいの猛暑が約1ヶ月間も続き、日中は冷房の効いたところで過ごすように指導された結果、足腰が弱ったと感じられている方も多いのではないでしょうか。
先日私は新潟マラソンに参加してきました。当日は体調万全で序盤はいいペースで走れたのですが、20km手前からこれまで感じたことのない太ももに痛みを感じるようになりました。その後は急速にペースが落ち25kmからは練習の時と同じくふくらはぎがつるようになり、その後は歩く時間の方が長くなった気がします。レース後は丸4日間筋肉痛のためまともな歩行ができませんでした。猛暑で夏場の練習をおろそかにした結果、筋力が大きく低下したのです。
筋肉は使わなければ当然衰えますが、負荷をかけなくても衰えていきます。走力を上げるためには筋力を上げる必要がありますが、単に歩く・走るだけでは筋力は得られません。意外と思われるかも知れませんが、平地を走っているだけでは筋力は衰えるのです。
それではどうしたらいいかというと、負荷をかける運動いわゆる筋肉トレーニング(筋トレ)をすることが必要です。筋トレというと腹筋運動や腕立て伏せなど、今の自分ではとても行えないような運動を思い浮かべるかもしれません。しかし筋トレはそのようなものばかりではありません。お薦めしやすいのは、整地されていない路面を歩く(トレイルウォーキング)、起伏のある道を歩く(ハイキング)、山登りなどです。
家の周りでもできます。家庭菜園をお持ちの方であれば野良仕事、家周りの草むしりなど腰を上げ下げする動作はとてもいい筋トレになります。当地域は畑仕事を楽しまれているお年寄りがたくさんおられますが、そのような方々は総じて元気ですね。認知症を患われていても生き生きとされています。
病み上がりの方、リハビリが必要な方であれば、家の中で細々動くことも筋トレになります。リハビリは病院に入院もしくは施設に通って行うものと考える方がおられるかもしれませんが、日常生活で色々姿勢を変えて動き回ることが日常生活に必要な筋肉を鍛える運動となるのです。
皆さん、これから改めて家を出て動き回りませんか。もちろんクマには気をつけて。私も次回の大会に向けてこの冬は筋トレに励むつもりです。いつまでも動ける体を保ち続けましょう。
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