私たち新潟大学・新潟リハビリテーション大学のグループは二〇一一年より健康コホート調査を継続して行っています。その主な目的は、要介護の原因となるような病気(転倒骨折、膝関節症、認知症など)を予防することです。これまでの成果は年に一回程度発行する「コホート調査だより」で報告させていただいています。生活習慣などを調べる健康調査は五年おきに行い、十年後健康調査は、二〇二一年に関川村で、二〇二二年には村上市と粟島浦村で行われました。初回調査に参加した方に郵送で十年後調査票を送り、約半数の方々よりの回答をいただきました。この場をお借りし感謝申し上げます。この十年で参加者の方々の生活習慣はどのように変わったのでしょうか。また、新しい調査項目も少し加わりました。今回は、十年後調査の結果の一部をご紹介します。
■喫煙習慣の変化
喫煙者の割合は、男女とも十年で減少しています(図1)。十年の変化を見ていますので、ある年代の初回調査とその下の年代の十年後調査結果を比較することで、世代比較が可能です。男性では、五十歳・六十歳代の十年後の喫煙率は、六十歳・七十歳代の初回喫煙率と比較するとわずかに低下している程度ですが、四十歳代の十年後喫煙率は五十歳代の初回喫煙率より明らかに低く、若い年代の喫煙率の低下がはっきりしていました。
■飲酒習慣の変化
ほぼ毎日お酒を飲む人の割合を年代別に見ますと(図2)、男性ではどの年代でも飲酒率の低下がみられ、七十歳代以外はどの年代も同じ様に低下しています。世代比較では、若い年代の飲酒率の低下が大きい傾向です。
■運動する習慣の変化(図3)
生活習慣病予防のため、積極的に運動することが勧められています。年代別に比較しますと、年齢が上がるほどウォーキングなど余暇で運動する人の割合は高いです。四十歳代や五十歳代で運動する人の割合は六十歳代や七十歳代に比べて低いのですが、この十年では増加しています。ただ、男性五十歳代の十年後運動率は六十歳代の初回運動率より低く、女性の四十歳代、五十歳代も同様です。若い年代の運動習慣をどのように増やすかが今後の課題と思われます。
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