■診療放射線技師って何ができるの?
坂町病院 放射線科
小滝 功
◇放射線を用いた技術で検査や治療を行う国家資格を持った医療のスペシャリスト
診療放射線技師とは、医師または歯科医師の指示のもとに放射線を用い撮影や治療などの業務を行い、診療を支援する部門の医療従事者です。その仕事の内容は多岐にわたり単純X線撮影からCT検査や造影検査、MRI検査、超音波検査やアイソトープ検査などの診療部門及び放射線治療部門などです。医師、歯科医師を除き放射線を人体に照射することのできる唯一の医療技術職となります。坂町病院ではMRI検査やアイソトープ検査、放射線治療は行っていませんが、こうした放射線利用が示すように診療放射線技師は医療現場においての活躍の場は幅広く、とても重要な職業です。医療における放射線技術は劇的に進歩を続けており、現在でも日進月歩で放射線を用いた新しい技術が開発、導入され続けています。放射線は医療現場における様々なところで用いられており、使用するにあたって多くの知識を必要とします。
ここからは、診療放射線技師が行う代表的な検査について少し紹介します。単純X線撮影(胸部・腹部・骨撮影等)は、臓器や組織によるX線の吸収度の違いを利用して、X線を体に向けて一方向に照射することで体内の臓器や組織の形状を評価する検査です。全身に幅広く用いられる検査ですが、X線を一方向から照射するため、複数の臓器・組織が重なる部位(縦隔や下腹部など)を評価するには不向きです。臨床現場では肺炎・気胸などの肺疾患の評価、心臓や大動脈の形状の評価、消化管穿孔や腸閉塞などの消化管疾患の評価、骨折や脊椎疾患の評価等の目的で用いられます。CT検査はX線をさまざまな角度から照射することで体の断面を画像化できる検査です。連続した断面の画像を作成することで、体内を立体的に評価できます。臨床現場では出血病変の検索、X線検査では評価しづらい病変の検索・評価、血管の評価等の目的で用いられます。さらに、造影剤を投与してCTスキャンを行う造影CT検査では、臓器や血管が見やすくなるため、より詳細に評価できる検査になります。
最後に診療放射線技師には、関連する学会や職能団体で必要な教育を受けた上で、試験に合格すると取得できる認定資格(X線CT認定技師・放射線取扱主任者・検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師・医療画像情報精度管理士・磁気共鳴専門技術者・放射線治療専門放射線技師・救急撮影認定技師・医療情報技師などなど)があります。医療技術は日々進歩しているため、資格によっては最新の知識や技能を身に付けるために定期的な更新を行い、日々スキルアップに努力しています。
放射線って聞くとちょっと怖いイメージですが、私たち診療放射線技師は放射線を上手に使って安全に検査を行っています。聞きたいことなどがあればお気軽にお声がけください。
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