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古文書でタイムスリップ

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新潟県関川村

■「江戸時代わが村の暮らし」(45)
十二代平太郎逝き、後役の願い出
〜「歴史とみちの館」所蔵・平田家文書を読む〜
(村歴史文化財調査委員 渡辺伸栄)

◇一代の傑物逝く
平田家十二代平太郎は、以前紹介したように、田麦掘割拡張問題で江戸の評定所へ訴え出、真犯人である村上藩をきりきり舞いさせた人物です。
鮭川漁で牛屋村を訴えたのもこの人です。その度に、もめ事ばかり起こして悪だくみをしているなどと悪態をつかれますが、すべては、理不尽な相手との正当な対決でした。
また、各地の争いに仲裁人として依頼され、問題解決に努めています。水原代官所管内年貢納税組合の代表庄屋の一人でもありました。
まさに当地域一代の傑物と言うべき人物の感がします。
しかし、さすがに加齢による老化には勝てなかったのでしょう。文政三(一八二〇)年に病死します。

◇後役の選出
さて、小見村では後継者を選ばなければなりません。
庄屋は、世襲で継いでいく村と、その都度、適任者を選ぶ村がありました。小見村は前者です。以前紹介した上関村は後者でした。
世襲とは言え、自動的に決まるものではなかったのです。その手続きが分かる文書が残っていました(写真※本紙参照)。下書きの文書のようで、宛先も印もないのですが、小見村の本百姓二十二名が水原代官所に願い出る文面です。

◇願い出文書の内容
小見村庄屋平太郎は去る六月病死しました。この度、後役について村中で相談の上、倅の昌平に頼むことにし、本人も承知してくれましたので、後役は昌平に仰せつけ下さいますようお願い申上げます。なお、同人が在職中に年貢未納などを起こしたとしても、村中で引き受けて必ず弁済上納いたし、代官所に迷惑はお掛けいたしません。村中の百姓の連判書面をもって願い上げ奉ります。御慈悲をもってお聞き入れいただければ有難きしあわせに存じ奉ります。

◇村人総意の推薦と連帯保証
ざっとこんな内容です。世襲であっても、あくまでも村人の総意で推薦し、任命してもらうという仕組みだったことが分かります。
推薦対象の人物が年貢未納など起こすはずもないのでしょうが、これは連帯保証の意味を表しているのでしょう。
昌平は庄屋役に就き、十三代平太郎を襲名しています

(原文と解説は歴史館に展示、又は、下の本紙QRから)

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