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自治体の皆さまへ

区長 所信を表明(2)

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東京都中央区

■令和7年度当初予算
これらの状況を踏まえた新年度予算は「中央区の魅力を発掘・発信!―愛着をもって住み続けられるまちを目指して―」と題し、物価高騰など喫緊の課題に加え、中長期的な課題への対応についても重点を置き編成いたしました。
歳入面においては、人口増加や経済の回復基調を背景に、区財政の根幹である特別区税や特別区交付金などに一定の伸びが見込まれるものの、ふるさと納税による税の流出が引き続き拡大している他、物価高騰の長期化による企業収益の圧迫など景気の下振れリスクもあり、財政環境は今後も予断を許さない状況といえます。
そのため予算編成に当たっては、施策全般にわたり取捨選択を行うとともに、これまで蓄えてきた基金の活用や将来負担を見据えつつ特別区債を新たに発行するなどの財源対策を講じたところであります。
新年度予算では「区の魅力を発掘・発信」する施策をはじめ、「防災対策」、「子育て・教育環境の充実」、「良好な都市基盤の整備」など各施策の強化を図った結果、新規35事業、充実40事業を含む一般会計予算は、前年度を21.9パーセント上回り、当初予算として過去最大となる1,627億1,900万円余を計上いたしました。
主な施策について、基本構想に掲げる三つの「施策のみちすじ」に沿って申し上げます。

■一人一人の生き方が大切にされた安心できるまち
○主な新規・充実事業
・学童クラブ定員の拡大
・出産支援祝品の増額
・高齢者医療補助用具購入費用の助成
・もの忘れ予防検診事業
・障害児相談支援事業所運営費補助
・帯状疱疹ワクチン定期予防接種
・男性へのHPVワクチン任意予防接種

第一は「一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちを目指して」であります。
はじめに、子育て支援策についてです。
若い世代を中心に人口が増加を続ける中、子どもや若者、子育て家庭が抱える悩みや課題も複雑化・多様化しております。来月、新たに策定する「中央区こども計画」を着実に実行し、安心して子どもを産み、育てられる環境づくりと、若い世代が将来に希望を持てる施策を総合的に展開してまいります。
長年の取り組みの結果、3年連続で保育所待機児童ゼロを達成していますが、今後も、希望する全ての子どもが安心して保育を受けられるよう、私立認可保育所の開設を積極的に支援するなど保育ニーズに適切に対応してまいります。また、学童クラブの待機児童解消に向け、本年4月、新たに三つの小学校内で「プレディプラス」を設置するとともに民間学童クラブを日本橋人形町で開設し、定員を拡大します。さらに、令和8年度に向けても民間学童クラブを誘致する他、子どもの居場所「プレディ」の開設準備を進めるなど、放課後等に子どもたちが安心して過ごせる居場所の確保に引き続き尽力いたします。
子育て世帯への経済的支援としては、長期化する物価高騰の影響を踏まえ、「出産支援祝品」や「バースデーサポート」の支給額を引き上げるなど、日常生活における負担軽減を図ってまいります。
こうしたさまざまな取り組みを踏まえ、これまでの子育て施策を総合的に捉えながら、子どもたちが夢と希望を持って成長できる環境づくりや子育て支援のさらなる充実を迅速かつ効果的に展開するため、福祉保健部内に新たに「子ども施策推進室」を設置し、専門性と機動性を備えた執行体制を構築します。
次に、高齢者施策についてであります。
高齢者が心身共に健康で、住み慣れた地域で自立した生活を送ることができるよう、生きがいづくりや健康増進の支援を強化します。加齢による聴力機能の低下は認知症を引き起こすリスクを高める可能性があることから、補聴器の購入費用の助成額を引き上げ、再交付申請を可能とするなど、補聴器の継続装用を促進し、日常生活でのコミュニケーションや社会参加の機会確保を推進してまいります。また、認知症は早期診断・早期対応が非常に重要であるため、新たに「もの忘れ予防検診」を実施し、認知機能低下の疑いがある方を必要な医療・介護サービス等につなげるとともに、認知症月間をはじめとするさまざまな機会を捉えて、区民の認知症に関する正しい理解を一層深めてまいります。
次に、障害者施策についてであります。
障害のある方々が自分らしく安心して暮らせるよう、生活の質の向上を支援します。一人での外出が困難な障害者等の社会参加を促進するため、移動支援に携わる方の処遇改善加算の拡充や養成研修費用の助成を新たに実施します。また、障害児のサービス利用に係る計画作成およびモニタリングを行った事業所への補助制度を創設します。本制度により、セルフプラン率の低減を目指すとともに、障害児相談支援事業所の安定運営と新規開設を促進し、相談しやすい環境を整備してまいります。さらに、歩行困難な在宅の障害者の日常生活における経済的負担の軽減を図るため、「障害者タクシー利用券・自動車燃料費助成」の支給額を増額します。
区民の健康づくりでは、健康アプリによるポイント事業の対象に、健康に関する講座や健診も追加するなど、区民の健康意識のさらなる向上に取り組んでまいります。また、感染の予防や重症化の防止を図るため、新たに帯状疱疹ワクチンの定期予防接種事業、男性へのHPVワクチン任意予防接種費用の助成事業を実施します。さらに、増加する来街者等による路上喫煙の防止に向けては、指定喫煙場所の整備を推進するとともに、巡回パトロールの体制を増強し、対策の充実を図ってまいります。
区民の皆さまの暮らしの中で生じる福祉に関するさまざまな相談に対応できる支援体制も強化してまいります。昨年4月、本庁舎に開設した「ふくしの総合相談窓口」を新たに月島地域に開設します。また、母子保健分野と児童福祉分野の一体的・包括的な相談支援体制として「こども家庭センター」機能を整備し、妊娠期から子育て期にわたり切れ目なく支援できる体制の充実を図ります。さらに、DV被害者に対する支援体制を強化するため、安心して相談できる窓口として、「配偶者暴力相談支援センター」の機能を整備します。

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