今や中野の夏の風物詩となっている中野駅前大盆踊り大会。
開催を実現した思いなどを実行委員長の鳳蝶美成さんに聞きました。
鳳蝶 美成(あげはびじょう)さん
中野駅前大盆踊り大会実行委員長。中野区を拠点に活動する日本民踊鳳蝶流家元師範。盆踊りの普及活動で日本各地を飛び回る。東京五輪2020閉会式の盆踊りパフォーマンスにも出演
■なぜ中野駅前大盆踊り大会を企画したのですか
盆踊りで中野のまちを元気にしたいと思ったからです。大学生の時に訪れた岐阜県の盆踊り大会・郡上(ぐじょう)おどりで、たくさんの若い方が参加しているのを目の当たりにしました。そのにぎわいとエネルギーに圧倒され、こんなお祭りを中野でもやりたいと思うようになりました。
■中野駅前大盆踊り大会の見どころは
一番こだわっているのは、“生演奏”です。地元の中野音頭を始め、東京音頭や炭坑節、鹿児島おはら節、ドダレバチなど、全国の盆踊りを生演奏で踊れます。生の音は臨場感があり、太鼓の響きを肌で感じることができるので、気分も上がりますね。ぜひこの非日常感を楽しんでもらいたいです。
また、日本独自の民族舞踊である盆踊りをより楽しんでほしいという思いから、「DJ盆踊り」というコーナーをやっています。もちろん伝統的な曲も素晴らしいですが、どんな音楽とも親和性が高いのが盆踊りの良さ。J-POP(ポップ)、ロック、クラシック、どんな曲でも古典の振り付けで踊れるんです。生演奏の間の休憩時間に流していたのが、今ではすっかり恒例に。「こういう楽しみ方もあるんだ」と若い方が盆踊りに親しむきっかけになったらうれしいですね。
■大変だったことはありますか
感染症の影響でほとんどの盆踊り大会が中止になりました。盆踊りの先生方が引退されたり、呉服屋や足袋、ちょうちんのお店などの売り上げが減少して大打撃を受けたり、自分の周りの状況が一変しました。2020・21年はオンライン配信という形でお祭りを実施。これまでお祭りを支えてきた存在を守らなければと必死でしたね。
2022年には3年ぶりの屋外開催。感染症対策を徹底しての開催でしたが、2日間で5万人の方が来場。会場中から「楽しもう」という思いを感じました。みんなが前を向いて一歩踏み出す、その背中を押すことができたかなとうれしかったですね。
■今年も世界記録に挑戦されるんですね
最多人数での盆踊りに再挑戦します。昨年は記録達成まで、あと6人でした。本当にたくさんの方に協力していただいたからこそ、悔しかったですね。
今年はもう一つ、「多様な国籍の参加者で踊る」という記録にも挑戦します。盆踊りは元々、誰でも分け隔てなく楽しめる文化。中野には、約120の国籍の方が住んでいます。多様性を受け入れる中野らしい挑戦にしたいと思っています。たくさんの方と一緒に踊りを楽しむ空間にしたいですね。
■今後の目標を教えてください
中野駅前大盆踊り大会を、区民全員の方に喜んでもらえるお祭りにしたいです。お祭りが盛り上がることで地域も元気になるし、より中野に愛着を持てるようになったらうれしいですね。
さらにゆくゆくは、中野区の民謡を作りたいです。曲と踊りを作って、歌詞は毎年みなさんから募集するんです。民謡のリズムである7・7・7・5の節に合わせて、古典的な表現とその年のキャッチーな歌詞を組み合わせても面白いですよね。歌って踊るのは難しいと感じる方も気軽に参加できる、いろんな形を考えていきたいです。
■今年も参加者大募集~最多人数の盆踊りで世界記録に挑戦
9月28日(土)
踊ったことがない方も、練習会(無料)や踊り方動画で一緒に練習しましょう
会場:中野四季の森公園 周辺道路
目標:3,192人以上で、5分間正しく東京音頭を踊り続けること
同時に挑戦…55以上の国籍の参加者で踊ること
参加条件(事前申込制):浴衣または甚平、草履または下駄を着用(ビーチサンダルは不可)
☆区内・区外問わず、どなたでも参加できます
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