2月22日に行われた令和6年第1回市議会定例会で、初宿市長が所信表明を行いました。今後のまちづくりの方針などを示したその内容(要旨)を紹介します。
■市長所信表明要旨
私はこれまで、「市民の生命と財産を守ること」を第一に考え、公務員としての職務を全うしてまいりました。市政を預かる最高責任者となったこれからも、市民の生命と財産を守ること、そして、すべての人が輝き、やすらげるまちづくりに全力で取り組んでいく所存であります。
1月に発生した能登半島地震により、近年激甚化する自然災害の恐ろしさを改めて思い知らされました。いつ起こるかわからない自然災害への備えとして、平時からの安全・安心に向けた取組をスタンダードにしていくことが、地方自治体に課せられた使命であると実感しております。
最優先で取り組まねばならない施策は、避難所機能の充実や災害時の医療体制の充実です。多くの避難者の受入が想定される大規模な施設においては、感染症対策も含めた防災機能の視点も踏まえて、検討を進めてまいります。
■「八王子未来デザイン2040」の実現に向けて
就任して4週間、各部署からの事業説明を通して、市政の現状と課題を把握しました。とりわけ人口減少・少子高齢化に起因する厳しい財政見通し、老朽化が進む公共施設や道路などの都市インフラへの対応、市政運営を支える人財の確保など、予断を許さない厳しい状況であることを危機感をもって認識したところであります。これまで築いてこられた行政基盤と財政規律をもとに、石森市政の流れをさらに加速させ、「八王子未来デザイン2040」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
■市政運営における「三方よし」の経営理念
私は市政運営における経営理念として、「三方よし」という考えを重視しています。「初宿」という名字のルーツである滋賀県の近江商人の経営哲学のひとつで、商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売と言える、という考え方です。この精神を「人よし、街よし、暮らしよし」として八王子のまちづくりに置き換えた「三方よし」について基本的な考え方を述べます。
まずは「人よし」。
未来の八王子を担う人づくりをめざす取組を推進してまいります。高校生等医療費助成や、学校給食費の無償化といった子どもたちへの支援について、速やかに財源なども含め、判断していきたいと考えております。また、地域で子育て支援や見守り活動をしてくださっている団体への支援策や関わり方を再度検証し、柔軟な対応を検討していきます。さらに、都との連携をとりながら超高齢社会への対応を図ってまいります。市職員についても多様な人材が、その能力を最大限に発揮できるよう、新たな仕組みづくりを進めます。
続いて、「街よし」。
魅力あふれる活力ある活気あふれるまちづくりをめざす取組を推進してまいります。駅周辺の賑(にぎ)わい創出のため、土地の有効活用に向けた行政の働きかけのほか、企業誘致のための新たな産業用地の創出や、スタートアップ支援、中小企業対策を充実してまいります。また、都内唯一の日本遺産認定都市としての魅力発信などを行ってまいります。
最後に、「暮らしよし」。
安心安全な暮らしをめざしてまいります。近年の社会情勢の変化などを踏まえた多摩ニュータウンのあり方を検討するとともに、市民サービス向上に向けた行政のデジタル化の推進に取り組んでまいります。
■市民の生活にかかわる基礎自治体として
互いを思いやり、安心して幸せに暮らしていくことで、人は輝き、やすらげるまちとなっていくものと確信しています。これからも職員とともに、市民の皆様の思いを受け止め、市民の生活、人生すべてにかかわる基礎自治体としての役割を果たしていきたいと考えております。
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