(コラム)
■マンションの防災設備見学
マンションには屋内消火栓や防災倉庫、非常用発電機など、さまざまな防災設備があり、比較的新しいマンションでは、竣工当初からエレベーターの地震時管制運転装置等が取り付けられています。しかし、どんな設備があるか知らない方や、知っていても実際に見たことがない方も多いのではないでしょうか。
マンション管理組合からご相談を受けるなかで、「防災訓練をやりたいが、なかなか人が集まらない」といった悩みを聞くことがあります。防災訓練は、企画に時間や手間がかかるうえ、「自助」や「協助」の意識が浸透していないマンションでは人が集まらなくなりがちです。また、平成30年度の千代田区分譲マンション実態調査では、防災訓練(消防訓練を含む)を実施しているマンションは約25%にとどまっており、実施していないマンションが多いのが実態です。しかし、発災後にマンションの住民同士で助け合うためには、年に1回程度の防災訓練は必須です。
そこで、マンションの防災設備見学を行ってみるのはいかがでしょうか。総会や理事会の開催後など、人の集まりやすい時間に、マンションの各種防災設備を見学することで、マンション防災に関心を持ってもらうことがねらいです。管理会社や設備の保守会社に協力してもらうことで、比較的簡単に実施することができるでしょう。
大切なことは、防災設備見学はあくまでも防災訓練に向けての第一歩であるということです。防災訓練では各種防災設備の使い方や避難方法、安否確認の方法等について、より実践的に学ぶことができます。また、防災訓練を繰り返すことで居住者の防災意識が高まっていきますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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