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【特集】千代田が誇る、千鳥ヶ淵を彩る満開のソメイヨシノ(1)

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本日、5輪以上の開花が確認できました
さくらの開花宣言です

■一斉に咲き誇る桜
標本木と呼ばれる桜の木が開花すると、開花宣言が出される。標本木は全国に58本あり、東京は靖国神社のソメイヨシノ(本紙ではいずれも「染井吉野」を指す)が選定されている。
桜は出会いと別れの季節を象徴し、一斉に咲き誇り、わずかな時間で散っていくというもの悲しさが多くの人の心をつかむ。国内各所で観桜にまつわる催しが行われ、私たちはこのひと時の美しい情景を一目見ようと足を運ぶ。

■ソメイヨシノはクローン
多くの桜が「一斉に咲く」のには理由がある。それを知るためには、まずソメイヨシノの出自に目を向けなければいけない。
ソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの交雑種で、江戸時代末期から明治初期にかけて染井村(現豊島区駒込)の植木職人が売り出し、交通網の発展とともに全国に広まったとされている。自家不和合性を持ち、自身の花粉で受粉することができないため、「取り木」、「挿し木」、「接ぎ木」といった手法で、1本の原木からその個体を増やし続けている。つまり、すべて同じ遺伝子を持つクローンだ。「一斉に咲く」カラクリはここに由来する。

■成長は早いが病弱
ソメイヨシノは成長が早く、目立つ大きな花をつける一方で、病気に弱い。特にカビの一種が病原の「サクラ類てんぐ巣病」にかかりやすいといわれ、放っておくと花をつけなくなるばかりか、枯れていく。また、クローンの特徴として、一度病気がまん延すると、周辺も一斉に被害を受けてしまうため適切な管理が必要だ。一方、萌(ほう)芽に長けており、感染した枝を切除するなどしっかりとした対応をとることで樹勢が回復する。

■多種多様な日本の桜
日本の桜はソメイヨシノだけではない。ソメイヨシノの祖となったエドヒガン、オオシマザクラをはじめとした野生種が10種(11種ともいわれる)、さらに交雑により、200種(分類によって600種、800種)以上ともいわれる栽培種がある。
なかでも日本三大桜といわれる福島県の「三春滝桜(みはるたきざくら)」、山梨県の「山高神代桜(やまたかじんだいざくら)」、岐阜県の「根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみさくら)」(いずれも国の天然記念物に指定)は樹齢が1000年を超えるともいわれており、長い歴史を生き抜いた荘厳さやソメイヨシノとはまた違った見ごたえがある。

■一度は見ておきたい!日本三大桜
◇三春滝桜
写真提供:三春まちづくり公社
場所:福島県田村郡三春町大字滝字桜久保296
樹齢1000年を超えるエドヒガン系の紅枝垂桜。大正11年10月12日に国の天然記念物に指定された。開花期には四方に伸びた枝から、薄紅色の小さな花を無数に咲かせ、その様はまさに流れ落ちる滝のように見えることから「滝桜」と呼ばれるようになったともいわれている。

◇山高神代桜
写真提供:北杜市観光協会
場所:山梨県北杜市武川町山高2763
推定樹齢1800~2000年と言われるエドヒガンザクラで武川町の実相寺境内にそびえる。大正11年10月12日に国の天然記念物に指定された。伝説では、神話の武将ヤマトタケルノミコトが東征の折に植えたといわれ、その名の由来となっている。また、この桜の種子が宇宙へ打ち上げられ地球に戻って発芽し、子桜として花咲く宇宙桜も公開されている。

◇根尾谷淡墨桜
写真提供:本巣市
場所:岐阜県本巣市根尾板所字上段995
樹齢1500年余を誇るエドヒガンザクラ。継体天皇(第26代天皇)お手植えの桜と伝わり、大正11年10月12日に国の天然記念物に指定された。薄いピンクのつぼみが満開で白、散り際に淡い墨色になるため淡墨桜と名付けられたとされる。平成3年にアメリカに枝が贈られ、接ぎ木で増殖。平成11年に全米桜祭りで名高いワシントンD.C.に苗が植えられている。

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