(連載)
■価値組企業の価格思考
中小企業診断士 荒谷 司聖(あらたに もりまさ)
強い会社を作るのに必要な「シゴトの自分ごと化」のポイントを4つ、お伝えします。
[1]2つ褒めて1つ求める
受け手の行動を促し、成長につながるアドバイスであるためには「この人の言うことを聞いてみよう」と思える土壌が必要です。それにはまず「1つを求める前に2つ褒めるコミュニケーション」を心がけましょう。
[2]事業計画を個別計画に落とし込んで見せる
ビジョン実現に向け、事業計画を個別計画(誰が、何を、いつまでにやるのか)まで落とし込んでいることを見せましょう。方針、計画を行動レベルまで落とし込む姿勢、やり方のお手本を見せることで、自ずと自分ごと化が進みます。
[3]評価制度を見直す
やりがいや良好な関係性だけで期待通りの働きを見せてくれれば経営者としては最高にハッピーですが現実はそうもいきません。やはり報酬というニンジンを用意することも必要です。
[4]ライフプランを立ててもらう
住宅ローンについて学んだり、結婚、出産、育児、介護などのライフイベントと会社業務をどう折り合いをつけていくかを考えたり、どういう立場になればどれくらいお給料をもらえるのかをシミュレーションしたり、まさに仕事と自分ごとを結び付ける時間を与えてみましょう。保険会社の協力を得て、年に1度、年始にそうした場を設けている会社もあります。
自分ごと化が十分にできていない人は時に評論家やリスクばかり強調する人に変貌します。評論やリスク指摘には一定の正しさも含まれており、「色々と考えている感」も出せるので賢げに見えるのがまたいけません。
そもそも誰かに何かをしてもらうというのは大変難しいことです。ましてや具体的な指示を与えるでもなく、自ら考え行動してもらい、しかもそれなりの結果を求めるというのはかなりの無理ゲー(難易度が高すぎてクリアするのがほぼ不可能なゲーム)です。逆に「これこそ経営者の醍醐味!」というくらいの気持ちをもって、強い会社を作っていきましょう!
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