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池波正太郎 生誕100年企画「時代を翔ける池波正太郎の魅力」

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東京都台東区

■その五 秋山小兵衛
鬼平に続くシリーズとして、「剣客商売」(新潮文庫)が昭和47年からスタート。この年、池波正太郎は49歳で数え年なら50歳。老境に入った心境で、主人公・秋山小兵衛を老剣客に設定、自分が年を重ねるのに平行して、自分と等身大で書き進めることにしました。秋山小兵衛は無外流の剣客、その名のとおり体は小柄ですが、四谷仲町に道場を開き、江戸でも名の通った道場として賑っていました。しかし53歳の時突如道場を閉じて大川の畔に隠れ住み、40歳も年下の下女・おはると夫婦になります。酒が好き、うまい物が好き、好奇心が強く、人がよい。剣を捨てスローライフを楽しむつもりが、生来の性格で他人のことが気にかかり、小兵衛を取りまく人たちに頼りにされるとのめり込んで、事件に巻き込まれ、剣を揮うことになります。老いて、人間としての深みや心の広さが厚みを増し、世の中がより見えてくる。池波流のリタイアした後の、男の理想的な生き方を描いた、ともいえる作品です。子息・大治郞の道場が橋場にあり、今戸から橋場あたりがメイン舞台です。

問合せ:中央図書館池波正太郎記念文庫
【電話】5246-5915

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