■フェンシングについて
司会:次に、フェンシングについていろいろとお話を伺いたいと思います。
区長:フェンシングは、フルーレ、エペ、サーブルの3種目があるんですね。
松山:僕が実際にプレイしているのはフルーレという種目で、日本ではおそらく1番人口が多いと言われている種目です。フルーレから入って、そこからエペやサーブルに移ったりします。僕みたいにフルーレで戦い続けるっていうのもありますね。
区長:試合展開が本当に速くて、スローで見てやっと分かるぐらいですね。その場の気力というか気合というか、大変なものがあるんですか。
松山:集中力っていうのは、すごく大事な要素だと思います。100%集中できてないと、その一瞬で相手に突かれてしまうこともあるので、いかに集中して試合に入り込むかというのが大事な要素になってきます。そこが本当に大変です。一瞬で決まるので、スローで見ないとどうしてもわからない部分は多いと思います。攻守の攻防も本当に激しいです。集中力だけではなく、前後の激しい動きの中でのダイナミックさやフットワークっていうのも非常に大事になりますね。
区長:松山選手は左利きなんですよね。
松山:僕はたまたま、フェンシングを左利きで始めました。世界には、いろいろなスタイル、いろいろなタイプのフェンサーがいます。例えば身長が2m級で手足がものすごく長い選手がいたり、身長が小さくて動きが早い選手がいます。それが右利き・左利きとかっていうのでも変わってきますし、階級もないので全ての選手が同じフィールドで戦うことになります。世界に行った時には、そういった選手とうまく戦わなくちゃいけないというのがありますね。
区長:得意技や強みはあるんですか。
松山:テクニックにはすごく自信を持っています。細かい指の動きで狭いスペースをうまく突くとか、ダイナミックな動きの中でもミスなくプレイをしっかりするとか。あとは大舞台の要所でなぜか出るのが、この「ジャンピング振り込み」と言って、相手の背中に振り込む技です。これも特別狙っていたわけではなくて、たまたまこのタイミングならいけると思って出した技です。狙っているわけじゃないですけど、いつも大舞台のいいところで調子がいいと出てくるんで、ひとつの強みなんだろうなって思います。
区長:いろいろな駆け引きがあるんでしょうけども、フルーレの試合の見所はどのようなところですか。
松山:世界に行くと本当にいろいろなタイプの選手がいて、小さい選手がどうやってこの大きい選手を倒すんだろうというところも、フルーレだけではなくフェンシングの魅力かなと思います。あと、ダイナミックな動きの中での剣さばき、剣の音や選手が動く音、足を踏み込む音など、全てがやっぱりフェンシングの魅力かなって思います。映像を見ていると分からない部分も多いんですけど、実際に見るとこんな大きい選手と戦っているんだって、結構驚かれることも多いです。とにかく魅力はたくさんあるので、生で見ていただきたいというのが僕の思いですね。
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