■立ち直りを一番近くで見守る「保護司」
犯罪や非行をした人たちの出所後の生活に寄り添い、更生を支える保護司の皆さん。
立ち直りを一番近くで見守り、どのような思いで活動されているのでしょうか。品川区保護司会の3人にお話を伺いました。
○偏見の目で見ることなく受け入れる地域社会へ 品川区保護司会会長・松尾 和英さん
現在は品川区保護司会の会長という立場から、会員(保護司)の皆さんがよりよく活動できるよう支援する役割を担っています。例えば、犯罪や非行をした人を受け入れる会員の後方支援を行ったり、悩みや相談に乗ったりするなど、会員の皆さんがより活動しやすい組織になるよう努力しています。
また、保護司の人材確保も欠かせない課題です。保護司は対象者の更生に寄り添い、その後の人生を左右する役割を担っていると言っても過言ではありません。誰でもできる活動ではありませんので、適任者を見つけたらお声をかけるようにしています。
品川区では、6年3月に「品川区再犯防止推進計画」が策定されましたが、品川区保護司会としても6月から相談窓口「RE:START(リスタート)+サポート品川」を開設します。また、7月は「社会を明るくする運動」の強調月間です。無関心、そして居場所がないこと、これは誰にとっても辛いことです。罪を償い、更生しようと努力する対象者を、偏見の目で見ることなく受け入れる地域社会となるよう広報活動を行っていきます。
○人は誰もがかけがえのない存在である 品川区更生保護サポートセンター長・石坂 啓さん
面接を重ねて担当する方が心を開き、変わっていくのを見ると本当にうれしいですね。表情や顔つきが明るくなり、言葉づかいが変わり、「友だちができた」「パートナーができた」といった報告をもらった時は、この活動に携わっていてよかったと思う瞬間です。
人は一人ひとりがかけがえのない存在です。その中には、この社会に生きづらさを感じていたり、なじめなかったりする人もいるでしょう。そうした人たちが自分では望んでいないにもかかわらず、体と心のバランスを崩し、何かが引き金となり罪を犯したり、非行に走ったりするのかもしれません。ですから前科者といった色メガネでみるのではなく、温かいまなざしで受け入れる地域社会であったらいいなと思います。保護司の活動は、そうした理解を促す役割も担っていると強く感じています。
○「みんな同じ」という気持ちで寄り添う 森泉 美穂さん
犯罪や非行をした人と関わるようになって一番感じているのは、私たちと変わらない、「みんな同じ」ということです。誰にでも過ちはあります。乗り越えて行かなくてはならない壁もあります。彼らはその過ちが大きかったり、乗り越えなくてはならないハードルが高かったりするだけ。そうした気持ちで活動しています。
更生は本人が「更生する」という自覚を持ち、自分の足で歩き出さないと進みません。一方で、彼らが越えなければならない高いハードルを少しでも低くするには、地域の方たちの理解や協力が必要不可欠です。そのためには、まずは知っていただくことが大切。地域の行事などでは保護司の活動や「社会を明るくする運動」、更生保護についてお話しする機会をいただき、地域の方たちに働きかけています。いつの日か、自分の手を離れた対象者が、地域で幸せに暮らしている姿に遭遇できたら……。そう願っています。
■「品川区再犯防止推進計画」(令和6~10年度)を策定しました
品川区では、従来から行っている各種支援が再犯防止、そして更生保護へつながるものとなるよう、「品川区再犯防止推進計画」を策定しました。犯罪や非行をした人たちの立ち直りを助け、誰もが住みやすく明るい社会・品川区を目指します。
■犯罪・非行からの立ち直り支援窓口「RE:START+サポート品川」を開設
犯罪をした人や非行少年の立ち直りを支えるため、品川区保護司会が相談窓口を設けます。
開設日:6月11日(火)
開設日時:毎月第2火曜日午前10時~午後4時
場所:品川区更生保護サポートセンター(大井1-15-13)
対象・定員:区内在住で、更生保護期間満了後、立ち直りを目指す方か非行少年、保護者1日4人程度(先着)
申込方法:希望日の7日前までに、品川区保護司会ホームぺージ【HP】https://hogoshi.jp/news/restart/の専用フォームか、電話で品川区更生保護サポートセンター【電話】4285-0580へ
問い合わせ:
同センター【電話・FAX】4285-0580
地域活動課庶務係【電話】5742-6687【FAX】5742-6877
<この記事についてアンケートにご協力ください。>