すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながる すみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人をつないでいきます。第55回は、業平にある春慶寺の住職夫人で、「おてらおやつクラブ」の活動に参加している齋藤 幸子さんです。
Q.すみだでどのような活動をしていますか?
春慶寺の運営に携わりながら、「おてらおやつクラブ」等の活動に参加しています。認定NPO法人「おてらおやつクラブ」とは、お寺の様々な“おそなえ”を仏様からの“おさがり”として頂戴し、子どもを支援する団体の協力の下、様々な事情で困り事を抱えているひとり親家庭に“おすそわけ”をする活動です。現在、全国で約1,900のお寺が参加しています。
段ボールに詰めたお供え物を、「おてらおやつクラブ」を通じて対象家庭に発送したり、区内の子ども食堂や施設等に直接届けたりしています。そのほかにも、豊島子どもWAKUWAKUネットワーク等を通じた支援も行っています。
檀家(だんか)の皆さんからのお供え物は、お経をあげたうえで各家庭や施設に届けています。最近では、この活動が認知され始め、乾麺や缶詰等の日持ちするお供え物が増えていて、支援の輪が広がっています。
Q.現在の活動を始めたきっかけは何ですか?
お寺には、たくさんのお供え物がありますが、頂き過ぎたお供え物を無駄にしないための方策に頭を悩ませることもありました。そのようなときに、「おてらおやつクラブ」を主催している安養寺(奈良県)の松島さんのセミナーに参加したことが、現在の活動を始めたきっかけです。
近所の学童施設には住職がお菓子等を直接届けていて、学童の子どもたちにとても喜ばれています。子どもたちの笑顔が、これらの活動を続けるモチベーションにつながっています。また、支援先の中には、数年にわたって食料等をお送りしている家庭もあります。その家庭からお礼の手紙や写真等が届いたときは、子どもたちの成長を温かく見守る親戚の叔母さんのような気持ちになりますね。
このような活動を通じて、子どもの貧困問題に少しでも寄り添えればと思っています。また、これらの問題は、普段見えないところに多く隠れています。これからも、周りの皆さんの理解と協力を得ながら、支援の輪を広げていきたいと思います。
Q.齋藤さんは、すみだのどんなところが好きですか?
隅田川花火大会は、毎年楽しみにしています。東京スカイツリー(R)がお寺の目の前にできた時は、花火が見えなくなることを心配しましたが、現在も東京スカイツリーと東京ソラマチ(R)の間からきれいな花火が観賞できます。
また、東京スカイツリーができたことで、以前に比べてお寺の前も人通りが増え、特に外国人観光客の訪問が多くなりました。片言の英語ですが、様々な国の方と交流することで、私自身の世界が広がっているように感じ、とても楽しいです。このような交流を通して、皆さんも“すみだ”を好きになってくれると嬉(うれ)しいです。
檀家の皆さんからのお供え物の一部です。果物、お菓子に加え、カップラーメン等のインスタント食品もお供えされています。また、「おてらおやつクラブ」の活動の周知も行っています。
※本紙参照
果物等のお供え物は、鮮度が落ちないよう早めに届けるようにしています。
・次回登場してくださるのは…
文花でご主人とともに「長屋茶房天真庵」を営む野村 喜代美さんです。
問い合わせ:広報広聴担当
【電話】03-5608-6223
◆今月の1枚
「金魚さん涼しそう」
撮影:佐藤 萌さん
本コーナーへの写真を随時募集しています。詳細は区ホームページをご覧ください。
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