●墨田区長 山本 亨
2月8日、東京都慰霊堂で開催された「“東京大空襲80年”平和と希望の集い」に、地元町会など地域の皆さんと参加しました。当日は、両国中学校の生徒の皆さんによる、平和への想いを込めた演奏や合唱、朗読劇などが披露され、東京大空襲で奪われた尊い命への哀悼の気持ちが強く込み上げてきました。
80年前の昭和20年3月10日に起きた東京大空襲では、東京が一夜にして灰じんに帰し、10万人以上の尊い命が奪われました。特に、本区は区内の7割が廃虚と化し、死者2万8千人以上、負傷者4万人、り災者30万人といわれる惨状でした。甚大な被害を受けた本区では、二度と戦争による災禍が起こらないよう、未来にわたり平和の実現に一層努力することを誓い、平成元年に「墨田区平和福祉都市宣言」を行いました。それ以来、平和祈念行事の一つとして、区民の皆さんが平和への願いを込めて作る折り鶴を使い、区役所1階アトリウムの壁面に平和のオブジェを制作しています。毎年3月10日に、その年のテーマに沿った新しいオブジェがお披露目されるため、私も平和を祈りながら、その日を楽しみにしています。
そして、若い世代の皆さんが平和学習に取り組み、未来の平和を支える存在として健やかに成長していくことは、私たちの希望そのものです。つらい体験をした方々の想いを後世につなげるためにも、「人 つながる 墨田区」の取組を更に推進し、今後も歴史を風化させることなく、若い世代に向けて平和の尊さを伝えていきます。
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