■「ひとりじゃない」
「中学へ行かぬと決めしわれを打ち母は涙で思いを語る」この歌は「生きていくための短歌」(岩波書店・2009年刊)に掲載された不登校当事者本人の声です。いつの時代も親子の葛藤はつきません。
保護者の皆さん。「自分の子どもに限って」と思っていませんか。当事者の皆さん。「どうせ親に話しても分かってもらえない」と思っていませんか。
「生まれてくる子どもは親を選べない」ことを「親ガチャ」と言うそうです。とはいえ成長の過程で誰もがチャレンジできる選択肢を増やせる社会にしていかなければと思います。
昼夜逆転となり、自然と学校や友人とのつながりも途絶え、突然のことに親はどうしたらよいか分からないという事態に。
私の子どもも中学の頃、学校に行けなくなったことがありました。学校に通えるようになったのは高校に入ってから。この昼夜逆転の日々を抜け出せたのは好きなバスケットボールや地域の人たちの力でした。
現在は、サービス業の現場で若い学生バイトなどをとりまとめ昼夜問わず仕事をこなしています。仕事の悩みや不満の相談に応えることもあるとか。
「不登校オンライン」というWebメディアでこんな短歌をみつけました。『比べると明らかに鳴る通知音「ひとりじゃない」はやっぱうれしい』
閉じこもっていてもいなくても携帯電話が社会や友人たちとの細く、時に太い窓口となっている時代のようですね。
(多摩市長阿部裕行)
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