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〈新春対談〉多摩市長 阿部裕行×日本アニメーション株式会社 代表取締役社長 石川和子(4)

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東京都多摩市

《阿部》日本アニメーション所属のイラストレータである永見夏子さんに私の名刺のイラストも描いていただいているのですが、「ラスカル子ども映画祭」「聖蹟桜ヶ丘まち歩き」にも永見さんのイラストを使わせていただいています。「ラスカルデザインマンホール」もそうですが、いろいろな場面に日本アニメーションのイラストが使われていて、多摩のまちに根付いている、なくてはならない存在です。ところで、アニメと言えばクールジャパンの象徴として世界で高い評価を得ています。平和や自然、ファミリーなどストーリー展開、動物や子どもなどのキャラクターによる独特な世界観など私も好きなアニメ作品は数多くあります。日本アニメーションの「青のオーケストラ」(2023.4TV公開)はオーケストラ部のある高校に進学した元天才バイオリニストと音楽初心者の保健室登校している生徒との青春アンサンブル。バトミントンでインターハイを目指す生徒を描く「ラブオールプレー」(2022.4TV公開)もありました。今後どのようなテーマに挑戦されていきますか。

《石川》「世界名作劇場」はこれからも見ていただきたいと思っておりますが、今おっしゃっていただいたような作品のような、子どもたちや若者たちが何かに挑戦し、苦労しながらも成長していく、そんなストーリーのアニメを制作していきたいと考えています。「青のオーケストラ」は第2期の放送も決まっており、現在制作を進めておりますのでどうぞお楽しみに。

《阿部》近年、世界はウクライナ、ガザ、レバノンなどで戦火が拡大し、未来を担う若者や子どもの命が奪われています。本年はアジア太平洋での戦争が終わり戦後80年の年です。昨年、被爆者の方々が核廃絶を訴えてきた「日本被団協」がノーベル平和賞を受賞しました。平和で戦争がなく、格差と分断のない世の中は、子どもたち・若者たちの希望でもあるんじゃないかと思っています。

《石川》アニメ産業は、サブカルチャーから日本を代表する産業へと成長し、通信環境の進歩で時差のない視聴環境も誕生しています。以前は日本国内でヒットしたアニメ作品が海外に輸出・紹介されてきましたが、そういう段階を超えて世界にお届けできる時代になりました。
現在、世界中にはさまざまな対立がありますが、私は「アニメには無限の力がある」と信じています。アニメは、国を超え、時代を超え、憧れのヒーローやヒロイン、愛おしい動物たち、そしてたくさんの仲間がいる世界へと私たちを瞬時に連れて行ってくれます。今大変な思いをしている子どもたちに、私たちの作ったアニメを見ていただき、少しでも明るい未来を想像できるような世の中になるよう、これからもアニメ作りを続けていきます。

《阿部》最後に一言、子どもたち・若者たちにメッセージをお願いします。

《石川》この緑豊かな多摩にスタジオがあることは、とても良かったと思っています。この多摩の地で「世界名作劇場」をはじめとしたアニメが生み出されていることを、多摩の皆さんにもっともっと知っていただきたいです。今後も私たちは、多摩市での作品づくりを大切にしていきたいと考えています。
阿部 ありがとうございます。子どもたちの中にも生きづらさを感じている子や、学校に行きたくてもいけない子がいます。先ほどの「青のオーケストラ」は、悩みを抱える子どもたちに生きる喜び、生きる道筋を示してくれているアニメです。この多摩のまちから子どもたちの明るい未来とアニメの無限の力を創造していきましょう。

◎石川和子 プロフィル
三菱商事(株)勤務を経て、昭和59年日本アニメーション(株)入社。同社取締役・取締役副社長を務めた後、平成22年10月から、父・本橋社長の逝去に伴い代表取締役社長に就任。(一社)日本動画協会理事長。(一社)アニメツーリズム協会理事長。

(c)NIPPON ANIMATION CO., LTD. “Anne of Geen Gables”TM AGGLA (c)S.P/N.A

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