大島の自然や文化、身近な魅力に迫ります。
■桜株~サクラッカブ~
寒さが和らぎ、春の訪れを感じる季節となりました。大島では今年も、山肌を白く染め上げるオオシマザクラから、四季を彩る花のリレーが始まろうとしています。オオシマザクラは伊豆諸島の準固有種で、伊豆半島や房総半島にも分布しています。そんなオオシマザクラの中で日本最長寿とされるのが、樹齢約800年を誇る、泉津の「桜株」です。桜株は、昭和初期まで一本の巨木でしたが(写真1)、長い歳月を経る中で太い枝が倒れていきました。現在の姿は、その倒れた枝が地面に根付き、元株と離れたことで形成されたと考えられています。
伊豆大島火山地質図を確認してみると、泉津地区は1552年大噴火による溶岩流が広い範囲に流れていることが分かります。しかし桜株は、周囲から少し高まった場所に位置しており、溶岩流がその高まりを避けて低い方へ流れたため、難を逃れることができました(図1)。
噴火や強風、枝折れなど、数々の困難を乗り越えながら花を咲かせる桜株。そんな逞しい桜株の、美しい開花が見られるのは間もなくです
(伊豆大島ジオパーク推進委員会事務局)
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