大島の自然や文化、身近な魅力に迫ります。
■頭上運搬
いよいよ新年度が始まりました。この時期、新生活準備のため荷物を移動させたり、片付け等を行われた方も多いのではないでしょうか?荷物の移動は主に自動車等で行われる現代ですが、かつて大島では、女性が頭に荷物を載せて運ぶ「頭上運搬」が一般的でした(写真1・2)。頭上運搬は、大島を含めた伊豆諸島や瀬戸内海沿岸など、主に島嶼地域や海岸地域で長く続けられていたそうです。
大島で頭上運搬が続けられた背景には、地形的特徴も関係していると考えられています。当時の整備されていない凸凹の道や勾配のある山道、道幅の狭い場所では、牛や手押し車などは扱いが難しく、かえって手間がかかってしまいます。一方の頭上運搬は、状況に応じて自身で加減しながら進むことができたため、一見原始的なように見えますが、よく考えられた効率的な運搬方法でした。
頭上運搬では生活用水、江戸へ送るための薪、道路や石垣を建築するための石など、あらゆるものが運ばれていたそうです。まさに大島の運搬の要であったと言えますね。
〔伊豆大島ジオパーク推進委員会事務局〕
〔詳細は本紙をご覧ください〕
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