大島町長 坂上 長一
令和7年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
皆さまにおかれましては、輝かしい新年を迎えられたことと心からお慶び申しあげます。
昨年は、長引く物価高騰が深刻さを増し、経済情勢にも影響が出ています。一方、自然災害も全国各地で発生しました。被災された方々が一日も早く日常を取り戻せることを祈っております。また、自民党総裁選挙が行われ、石破茂新内閣が発足されました。姉妹島のハワイ郡長選挙においても、郡長の交代があり、キモ・アラメダ氏が新しく郡長に選出されました。
大島町では第7次大島町基本構想・前期基本計画を策定し、まちの将来像である「郷土大島を豊かにし、共につくる島」を目標に、官民連携による施策推進に努めているところです。その他、公共施設の今後の指針となる大島町公共施設個別施設計画や島内の交通体系を改善するための大島町地域公共交通計画を策定し、長い間課題となっていた案件について、改善に向けて取り組み始めたところです。また、子育て世代を支援したい思いから「給食費の無償化」に踏み切りました。幸い、東京都からご支援いただける話もあり、実施に向けて追い風となりました。脱炭素化社会に向けた動きとしては「ソーラーシェアリング実証事業」を開始し、国立電気通信大学と大島町が共同提案して「円筒型太陽光電池を活用した島しょ地域におけるソーラーシェアリング実証事業」が採択されました。今後、未利用となっている町有地に、次世代ソーラーセル等を使用した円筒型太陽光発電を整備し、その下で明日葉を栽培し、発電量や塩害、農作物の成長等の研究を行い、離島向けソーラーシェアリングのモデル確立を目指すものです。また、浮体式洋上風力発電での脱炭素化へ向け、引き続き取り組んでまいります。
今年は、一大イベントである「伊豆大島椿まつり」が70回の節目を迎えます。「椿とめぐる風土」をテーマとし、人々の暮らしに欠かせない「椿」と「あんこさん」の物語を感じ、一足早い春の訪れを楽しんでいただきたいと思います。期間中には長期のイベントも行われ、続く「オオシマザクラ」の見頃には、新たに「大島桜ウィーク」が設けられており、さらに、多くの方々に楽しんでいただけると思います。今年の3月には、国際ツバキ大会が東京で開催され、大島ではコングレスツアーを受け入れます。また、11月には、日本で初めてとなる「第25回夏季デフリンピック競技大会」が東京で開催され、大島ではオリエンテーリング競技が開催されます。大島町では外国の方々が多く来島され、島の魅力を発信できる大きな機会ですので、成功に向け準備を進めています。一方、施設整備では「離島留学生用の寮」と「お試し移住住宅」が今年完成します。これからの大島町の人口増や活性化に向けて、見学や募集が開始されます。また、伊豆大島火山博物館ですが、リニューアル工事も進み、春にはプレオープンを予定しており、伊豆大島の拠点として新たなステージに進んでいきます。火山だけではなく、大島の歴史、雄大な自然、人々の暮らしについて学ぶことはもちろんのこと、無料交流スペースも併設されているので、観光客だけではなく町民の皆様にもご利用いただきたいと思います。
私のまちづくりの基本的コンセプトである「きぼうのしま」「にぎわうしま」「やさしいしま」を礎に、町民の皆さまとの協働により、都心に近く豊かな自然を擁する大島町の魅力を活かした、豊かな住みよいまちを実現していきたいと存じます。これからもこの大島町の未来が明るく照らされるよう努力を続け、皆様の御意見を傾聴していく姿勢を変えることなく取り組んでまいります。目まぐるしく変わる時代の変化に対応し、全力で取り組みながら「愛される郷土大島」であるよう、まちづくりを進めてまいりますので、皆さまのお力添えをよろしくお願いいたします。
終わりに、新しい年が活力に溢れ、皆さまにとって希望に満ちた幸多い年でありますよう祈念しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
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