大島の自然や文化、身近な魅力に迫ります。
■海藻のしましま?~ハンバ(ハバノリ)~
ハンバは、西風が強く、一年で最も寒いと言われるこの季節に旬を迎えます。収獲量が不安定なため、市場に出回ることの少ない貴重な食材ですが、大島では昔から、椿油やごま油で炒める「ハンバ炒め」や、米に酒・醤油・ハンバを加えて炊く「ハンバ飯」(本紙写真1)などのお料理で食べられてきました。
ハンバは、正式には「ハバノリ」と呼ばれる一年生の海藻です。秋頃になると遊走子(胞子)が岩等へ着床し、冬から春にかけて海岸線の潮間帯で生育します。潮間帯とは、干潮になると水中から現れて陸上となり、満潮になると海の中に戻る、環境変化の大きい場所です(本紙図1)。潮間帯には多様な海藻が存在しますが、満潮時の水位が一番高い位置(高潮線)から「乾燥に強い海藻順」に帯状の層のように並んでいます。これを「海藻の帯状分布」と呼びます。大島では一般的に、オニアマノリ・マルバアマノリ(上部)、アオサ(中部)、ハバノリ・ヒジキ(下部)等の順で生息しているそうです。ハバノリは潮間帯下部に位置する為、収獲しやすい時間も比較的短くなっているのですね。潮が引くと現れる海岸のしましま模様、強風に注意しながら、ぜひ観察してみてください♪
〔伊豆大島ジオパーク推進委員会事務局〕
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