■SNSやスマートフォンから詐欺被害に遭わないために
今回は、1面で紹介したSNS型投資、ロマンス詐欺についての事例です。
手口を知り、詐欺の被害から自分と周りの人を守りましょう。
◇事例1
LINE(ライン)で投資会社の広告を見つけて申込みをし、30万円を指定の口座に振り込んだ。投資会社は海外の会社だったが、振込先は違う名義だった。
担当者とはLINEでやり取りをしていたが、契約書を受け取っていないので投資の詳しい内容は分からない。「運用期間が終了したら元金と利益を支払う」と言われていたが、支払期限になっても口座に振り込まれず、投資会社や担当者に連絡を取ったがつながらない。騙されたのだろうか。(40代)
◇事例2
Instagram(インスタグラム)に知らない異性からメッセージが来てやり取りを始めた。LINEに誘導され、しばらくやり取りをして相手に好感を持った頃「私がやり方を指導するので一緒に投資をしませんか」と誘われ、言われるがまま投資を始めた。最初は15万円から始め、もうけが出て出金もできたので信用した。次々に勧められ、都度別々の個人名義の口座に振り込んだ。
途中で別の友人に止められたので出金しようとしたが、今度は手数料を請求された。手数料を支払ったが出金できず、詐欺だと気付いた。総額1億円以上を支払った。(70代)
◇相談員からのアドバイス
個人や海外の会社であっても、お金を預かって運用するのであれば金融庁に登録する必要があり、無登録業者であれば違法です。
また、振込先が個人の口座の場合、詐欺の可能性が高くなります。
連絡手段がLINEしかなく、所在も分からないのであれば、消費生活センターがあっせんに入ることは困難です。
相手と連絡が取れなくなった場合は警察に被害届を出し、振込先の銀行にも連絡をしましょう。
◇事例3
SMS(ショートメッセージサービス)で、通信会社の関連会社を名乗り「利用料金について連絡があるので至急連絡ください」とメッセージが届いた。
電話をしたところ「未払いの料金がある」と案内され、コンビニエンスストアで電子ギフトカードを10万円分購入して番号を教えるよう指示された。怪しいと思い、相談した。(70代)
◇相談員からのアドバイス
フィッシング詐欺の手口です。電子ギフトカードの購入はせず、相手から電話があっても出ずに警察へ通報しましょう。
SMSの迷惑メールはランダムな番号に送信されている場合もあります。フィルター機能を使用する、心当たりのない番号に電話をしない、記載されたURLをクリックしないなどの対策をしましょう。
◇事例4
知り合いがアメリカ軍人をかたる相手に送金をしている。「イラクに派遣されているがアメリカに帰りたいので助けてほしい」、「荷物を送ったので費用を支払って受け取ってほしい」などと言われているそうだ。
家族も心配してやり取りをやめるよう話したり、LINEをブロックしたりしているが、相手から来たメッセージを開いてしまい、またLINEでのやり取りを再開してしまう。どうにか対処できないか。(50代)
◇相談員からのアドバイス
国際ロマンス詐欺の手口です。海外に送金してしまうと被害回復は困難ですが、弁護士に相談するなどの対応が考えられます。
◇共通
心配なことがあれば警察や弁護士に相談して指示をあおぎましょう。弁護士会や法テラスに相談するほか、市民課市民相談担当でも弁護士による法律相談を実施しています。困った時は一人で悩まず、まずはご相談ください。
◇消費生活センター
受付時間:平日の午前9時〜正午、午後1時〜4時
相談先:【電話】042-346-9550
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