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〔令和4年度 下半期〕財政運営状況(2)

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東京都新宿区

■不合理な税制改正等に対する特別区の主張
法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税などの不合理な税制改正によって、特別区は貴重な税源を奪われ続けています。さらに、原油価格・物価高騰等の影響も重なり、特別区の財政は極めて深刻な状況です。
特別区には、特有の財政需要があり、将来的に膨大な額の財源が必要です。地方財源の不足や地域間の税収格差の是正は、地方の財源を吸い上げることなく、国の責任において地方交付税の法定率を引き上げ、調整するべきものであり、自治体間に不要な対立を生むような措置は是正されなければなりません。

(1)不合理な税制改正による影響は深刻
特別区への影響額は、令和4年度で約2,600億円、平成27年度からの累計で約1兆1,000億円にもなり、「東京は財源に余裕がある」などの一方的な見方によって、税金が国に奪われています。これは、応益負担や負担分任という地方税の本旨を無視したものです。

(2)ふるさと納税制度は抜本的な見直しが必要
過剰な返礼品競争による寄附の増加などにより、特別区民税の減収額は増加しており、平成27年度からの累計額は、2,700億円を超えました。
その結果、全区民が減収による行政サービスの低下の影響を受けざるを得ない一方、制度を利用する区民のみが返礼品などの恩恵を受けるといった不公平が生じるなど、制度のゆがみが顕在化しています。

(3)東京の地方財源が突出している訳ではない
人口1人当たりの地方税収の格差是正のため、地方税の見直しが必要との見方がありますが、地方税等に地方交付税を合わせた人口1人当たりの地方財源を他の道府県と比較すると、東京が突出して多いわけではありません。

(4)物価高騰等に伴う特別区の財政負担は大きい
ウクライナ情勢やコロナ禍における原油価格・物価高騰等に伴う特別区の負担増は、令和4年度で約300億円となっており、先行き不透明な社会情勢から、今後もさらに負担が増大する可能性があります。

(5)今後も多くの財源が必要
特別区は高齢者の急増や膨大な公共施設の改築需要への対応をはじめ、今後も多くの財源が必要です。

(6)地方税財源の拡充こそ地方分権のあるべき姿
国の責任により地方税財源総体を拡充し、自治体が責任をもって役割を果たすことこそが地方分権の本来の姿です。今後も、地方税財源の充実・確保、自治体間に不要な対立を生む不合理な税制改正を是正するよう、国に求めていきます。
※詳しくは、特別区長会ホームページ「不合理な税制改正等に対する特別区の主張(令和4年度版)」(【HP】https://www.tokyo23city-kuchokai.jp/katsudo/shucho.html)をご覧ください。

◇ふるさと納税の新宿区への影響
ふるさと納税制度は、ふるさとや地域団体のさまざまな取り組みを応援する気持ちを形にする仕組みとして、平成20年度に導入されました。ふるさと納税の影響により、新宿区の特別区民税の減収額は増加し続けており、令和3年度は約28億円、累計額は約111億円となっています。地方交付税制度では、ふるさと納税により減収があった交付団体には、補填される仕組みとなっていますが、不交付団体である特別区は補填されません。区は、今後とも特別区長会を通じてふるさと納税制度の改善を求めていきます。

問合せ:財政課(本庁舎3階)
【電話】5273-4049

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