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不合理な税制改正等に対する特別区の主張

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東京都新宿区

法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税制度などの不合理な税制改正によって、特別区は貴重な税源を奪われ続けています。さらに、ウクライナ情勢等に伴う長引く物価高騰は地方経済にも大きな影響を与えており、先行きが依然として不透明な状況です。
特別区には、首都圏特有の財政需要があり、将来的に膨大な額の財源が必要です。地方財源の不足や地域間の税収格差の是正は、地方の財源を吸い上げることなく、国の責任において地方交付税の法定率を引き上げ調整するべきものであり、自治体間に不要な対立を生むような措置は是正されなければなりません。

1 不合理な税制改正による影響は深刻
特別区への影響額は、令和5年度で約3,200億円(うち新宿区への影響額は約130億円)、平成27年度からの累計で約1兆6,000億円にもなり、「東京は財源に余裕がある」などの一方的な見方によって税金が国に奪われています。これは、応益負担や負担分任という地方税の本旨を無視したものです。

2 ふるさと納税制度は廃止を含め抜本的な見直しが必要
特別区民税の減収額は年々増加しており、特別区全体で令和5年度は約830億円、平成27年度からの累計額は、3,600億円を超えました。現在のふるさと納税制度は、地方自治体の行政サービスに要する経費を地域の住民が負担し合う住民税のあり方を逸脱し、地方自治の根幹を破壊するものです。また、本制度は政治・経済・文化の中枢として日本を牽引してきた東京の役割を考慮せず、地方の財源不足を補うために税収の移転を図るものです。今こそ、制度を巡るさまざまな問題に対処すべく廃止を含めた抜本的な見直しを行うべきです。

3 東京の地方財源が突出しているわけではない
人口一人当たりの地方税収の格差是正のため、地方税の見直しが必要との見方がありますが、地方税等に地方交付税を合わせた人口一人当たりの地方財源を他の道府県と比較すると、東京が突出して多いわけではありません。今後も膨大な財政需要への対応が不可欠な中、東京一極集中を理由とした、偏在是正措置については、決して容認することはできません。

4 今後も多くの財源が必要
特別区は高齢者の急増や膨大な公共施設の改築需要への対応をはじめ、今後も多くの財源が必要です。

5 地方税財源の拡充こそ地方分権のあるべき姿
国の責任により地方税財源総体を拡充し、自治体が責任をもって役割を果たすことこそが地方分権の本来の姿です。今後も、地方税財源の充実・確保、自治体間に不要な対立を生む不合理な税制を是正するよう、国に求めていきます。

※詳しくは、特別区長会ホームページ「不合理な税制改正等に対する特別区の主張(令和5年度版)」(本紙右二次元コード。【HP】https://www.tokyo23city-kuchokai.jp/katsudo/shucho.html)をご覧ください。

■ふるさと納税の新宿区への影響
ふるさと納税制度は、ふるさとや地域団体のさまざまな取り組みを応援する気持ちを形にする仕組みとして、平成20年度に導入されました。ふるさと納税の影響により、新宿区の特別区民税の減収額は増加し続けており、令和4年度は約34億円、累計額は約145億円となっています。地方交付税制度では、ふるさと納税により減収があった交付団体には、補填される仕組みとなっていますが、不交付団体である特別区は補填されません。区は、今後とも特別区長会を通じてふるさと納税制度の改善を求めていきます。

問合せ:財政課(本庁舎3階)
【電話】5273-4049

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