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新春アスリート対談(2)牧野紘子さん

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東京都新宿区

昨年のパリ2024オリンピックで念願のオリンピック初出場を果たした競泳選手の牧野紘子さん。6歳から住む新宿区での思い出や水泳を続けることで得たものについて区長と語り合いました。

■大好きな私の地元、神楽坂
区長:昨年はパリ2024オリンピックに出場され、飛躍の1年でしたね。その活躍を受けて区から「スポーツ栄誉賞」をお贈りしました。
牧野:パリ2024オリンピックでは、区内でパブリックビューイングの場を設けていただくなど、さまざまな形で応援をしていただきました。地元の皆さんに応援していただいた集大成がこのスポーツ栄誉賞だと思うのでとても光栄ですし、さらに頑張ろう!と思えるパワーをもらっています。
区長:地元に牧野さんのような素晴らしい活躍をされている選手がいることは、子どもたちにとっても励みや目標になると思います。新宿区には6歳のころからお住まいだそうですね。
牧野:新宿というと都会の繁華街というイメージが強いと思いますが、私が住んでいる神楽坂の辺りは、比較的落ち着いた雰囲気のエリアで、ちょっと下町っぽい良さがある地域です。小学生のころは、夏休みに行われる阿波踊りに参加していました。
区長:神楽坂は「静寂の中の観光地」とか「新宿の東の玄関口」といわれるエリアです。明治・大正期の名残があり、石畳の路地に隠れ家的なお店もあって区内でも独特の雰囲気がありますよね。今のまちなみをできるだけ残しながら耐火構造の建物への建て替えを進める「保存型のまちづくり」を行っているところです。
牧野:神楽坂のまちの雰囲気を残しつつ進化していくのはうれしいですね。

■挫折を乗り越えた先に
区長:牧野さんが水泳を始められたのは2歳からということですが。
牧野:兄が水泳を習っていたのがきっかけで私も始めることになりました。小さいころは極度の人見知りで、大勢の子どもたちに交ざるのは苦手でしたが、水の中に入ってしまえば自分だけの世界ですし、泳ぐことが楽しくて続けてこられたんでしょうね。
区長:新宿コズミックセンターにもよく来られていたと聞きました。
牧野:子どものころから家族と一緒に来ていました。幼児用のプールで兄と鬼ごっこをして遊んだ記憶があります。他にも、競泳のメダリストが泳ぎを教えてくれるイベントに参加したこともあります。
区長:小学生のころからジュニアオリンピックカップで学童記録を出されるなど、順調な選手生活だったと思いますが、これまで水泳をやめようと考えたことはなかったのでしょうか。
牧野:2016年、高校2年生でリオデジャネイロオリンピックの選考会に落ちてしまった時にやめるという選択肢が頭をよぎりました。同世代の選手の出場が決まっていく中で自分だけが取り残される感覚になりました。その時は1か月くらい茫然(ぼうぜん)として記憶がないほどだったのですが、同じスイミングクラブでオリンピック出場が決まった同世代の選手が頑張っている姿を横で見ていたら、「負けていられない。私も頑張ろう」と気持ちが切り替わりました。
区長:誰しも壁にぶつかったり挫折したりすることはあると思いますが、そこで気持ちを切り替えて「次こそは」と思えるかどうかが大きな分かれ道なのでしょうね。
牧野:目の前の目標に挑んで、うまくいかなかったら修正して次へ、を繰り返していたら、いつの間にか継続していたという感じでしょうか。自分で決めたことに関してはやり通さないと気がすまない気質なのかなと思います。
区長:短期的な目標を立てながら、大きな目標に到達するためには相当な精神力が必要になりますよね。行政の仕事も同じで、ゴールに至るまでには細やかなプロセスがあります。その手順をないがしろにしてしまうと、大きな目標にはたどり着けません。

■パリでの経験を糧に新たなステージへ
区長:昨年はついに念願のオリンピックに出場されたわけですが、パリの会場の雰囲気はいかがでしたか。
牧野:開催国の選手だけでなく、世界最高峰の舞台に出場している全ての選手を温かく迎える雰囲気があって、やはり特別な場所だなと実感しました。自分自身に関しては技術面で足りない部分も痛感しましたが、たくさんの方たちに応援していただいたことで「1人じゃない」と励まされましたし、「自分1人の力では絶対ここに立てなかった」と感じました。4年に1度の舞台に対する選手の気持ちが強く、その場に立てたのは、次につながる貴重な体験でしたね。
区長:日本から観戦していても、頑張る人を平等にリスペクトする会場の雰囲気が伝わってきました。パリでの挑戦を経て、新しい目標はありますか。
牧野:今年は世界水泳がシンガポールで開催されるので、個人種目での決勝進出が目標です。また、パリ2024オリンピック出場後に区内の小学校などで講演や水泳の指導をする機会も増えたので、新宿区民のアスリートとしてスポーツの楽しさを伝える活動も積極的に行いたいです。特に子どもたちは「可能性しかない」存在ですから、スポーツに限らず自分のやりたいことを見つけるのも、今取り組んでいることを継続するのも良いと思います。本当にやりたいことをとことんやって、そこで感じた自分の気持ちを大切にして、どんどん挑戦していってほしいなと思います。そして、私はそのサポートができればと思っています。
区長:「自分はこうありたい」という姿をイメージしながら、そこに向けてどうアプローチするかが大切ですね。新宿区も、防災や子どもの教育環境などさまざまな課題がある中で、「こういうまちでありたい」という姿を見据えながら区政を進めています。新宿区のまちの歴史や伝統、文化的な価値を研究して、「新宿ってこういうまちですよ」ということが皆さんにストレートに伝わるような発信をしていきたいと考えています。

■子どもたちへのメッセージ
やりたいことには積極的に挑戦して、今やっていることは継続しよう!

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