※町制施行50周年を記念して、町の歴史・文化をシリーズで掲載しています。
■年末の町の様子
12月になると、年明けの準備が始まります。地域特有の正月飾りを紹介します!
日の出町の年末は、町内で正月道具が作られ、平井市や販売会で賑っています。今回は年末の風物詩「平井市」と町の正月道具である「大久野の神酒の口」と「大久野の豆太鼓」を紹介します。
○平井市
平井地区で毎年12月26日に平井市が開かれています。平井地区の市について江戸時代に作成された古文書には、「毎月六の日を以って市日と定む、隣村より来りて諸物を販売す、此の上分二十六日、中分十六日、下平井六日ニ市立つ」と記載され、市は各宿で月に一度ずつ開催されていました。市はたびたび衰退していましたが、江戸時代中期と明治時代に地元より市の再興を要望する文書が作成されています。
かつての市では、薪などの生活必需品のほか、正月飾りも販売していました。
○町登録無形文化財 大久野の神酒の口
大久野地区の個人が、毎年10月ごろから年末に向けて神酒の口を作成されており、その作成する技術が町の登録無形文化財に登録されています。竹で作られた神酒の口は、正月飾りの縁起物で神棚の御神酒徳利にさして供え商売繁盛、家内安全の意味があるといわれています。
大久野の神酒の口は、昭和初期に青梅の七日市場で販売していた神酒の口を参考に作成したのがはじまりといわれており、かつては五日市への行商や平井市で販売していました。
○町登録無形民俗文化財 大久野の豆太鼓
大久野地区の萱窪地区・羽生地区・新井地区で正月飾りの豆太鼓が作成されています。豆太鼓は、細く切った竹で竹輪を作り、和紙を張り太鼓を作ります。太鼓の両面には、幸福や健康などめでたい言葉を書き、上部に風車を取り付けることもあります。大豆に赤い糸を通し太鼓の撥(ばち)になるようにします。
かつては、元日のお宮の露店や行商で青梅方面まで売りに出ていましたが、現在は年末に町内で販売されています。
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