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自治体の皆さまへ

特集「すぎなみビト」編集者・ライター シゲタ ツヨシ(2)

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東京都杉並区

■コロナ禍で見えてきた人々の底力。そしてWebサイト開設へ
Q:SNSを始めて、まちの印象はどう変わっていきましたか?
A:一つ一つのお店に関わっていくと、料理やそこにいる人も見えてきて、当初よく分からないと思っていたまちが見えるようになってきました。投稿を続けていくうちにフォロワーが増え、それに伴っておのずと情報もたくさん集まってくる。すると、高円寺というまちが立体的に掴めてきて面白いなと思いました。高円寺って、個人経営店の店主それぞれが「まちの案内人」みたいな感じなんですよ。誰か一人に出会うとその人が、「この人はシゲタさんで、いろいろなお店を回っていて…」と、次の店あるいは次の人に案内してくれる。だから、直接会ったことはないけれど知っている、という人がまちの中にどんどん増えていきました。

Q:ネットワークを広げるうえで大切にしてきたことはありますか?
A:ただSNSに情報をパパッと上げて終わりではなくて、実は結構泥くさい地道な積み重ねの中で、ネットワークを広げてきました。お店の人と仲良くなることはすごく大切で、そのポイントは「常連になる」ことだと思っています。僕の場合は同じ店に週4回は通って、何度目かのお会計のときに「おいしかったです」など声をかけることで、店主と話すきっかけを作ろうと心がけてきました。

Q:インスタグラムが好調な中、新たに「ツブサ・スギナミ」というWebサイトを立ち上げたのはなぜだったのですか?
A:きっかけはコロナ禍でした。緊急事態宣言が出て世の中が自粛ムードになる中で、高円寺では「店を守らなきゃ」という雰囲気が生まれて、むしろいつもよりまちが盛り上がり始めたんです。店先でいろいろと売り出して、お祭りみたいで、本当におかしなまちだなと思いました(笑)。僕も高円寺を守りたい一心で、テイクアウトのお弁当をたくさん食べてレビューを書くことにしたのですが、その頃いわゆる「写真映え」みたいなものに疑問を感じ始めていたときで。どちらかというと文章できちんと伝えたいという思いがあったので、あえてブログを開設することにしたのです。

Q:そのブログが「ツブサ・スギナミ」につながったのですね。
A:150店舗ほど高円寺のテイクアウトのお弁当を食べて、2000字くらいかけてそれぞれレビューしていったのですが、その過程での出会いがサイト立ち上げの原動力になりました。コロナ禍で、それまであまり表立って出てこなかったけれど実は人脈も行動力もあるという人たち、いわば緊急時に起爆剤のような役目を果たす人たちにたくさん出会って、彼らの話を聞いてみたい、インタビューして文章で伝えたいという思いが湧いてきたんです。

Q:高円寺ではなく「スギナミ」としたのはなぜだったのですか?
A:高円寺だけだと、いろんな意味で少し狭くなってしまう感覚があったので、もう少し遊びを持たせる気持ちで「スギナミ」としました。高円寺を中心に、阿佐ケ谷・荻窪・西荻窪などの情報を発信しています。グルメサイトとは一線を画す、取材した自分しか知り得ない情報…人やまちのことを伝えるサイトに育ってきていると思っています。

■変化していく高円寺をリアルタイムで届けたい
Q:シゲタさんは今、香川にも拠点を置いて活動していますね。
A:高円寺でいろいろな人と出会う中で、古民家を活用した美容サロンの集客をサポートしてほしいと依頼されたことをきっかけに、香川県三豊市にも拠点を持ち始めました。思いがけない誘いでしたが、高円寺を俯瞰(ふかん)的に見られる良いチャンスになるのでは、という期待もありました。

Q:実際に2拠点生活をしてみていかがですか?
A:すごくいいです。三豊市は、特に野菜・フルーツ・魚介などが新鮮で安くてとても美味しくて。旬の素材を季節ごとに食べられるというのは、グルメを中心に発信している身としては最高の環境です。一方で、2・3週間に一度滞在する高円寺での数日間は濃度がすごく濃いと感じます。外食をたっぷり楽しんで、散歩もたくさんしています。香川だと車生活で全然歩かないので。2拠点での暮らしを経験することで、振り幅が広がり、経験値も上がっているなと実感しています。

Q:これからの活動としてはどんな展望を思い描いていますか?
A:僕にとって杉並のまちの魅力は、たくさんのクリエイターとつながれること。面白いことをやっているクリエイターの卵でもある人たちに、「ツブサ・スギナミ」を通して仕事を創出し、その実績を持ってクリエイターとして食べていけるようになってもらえたら嬉しいです。そのために、「ツブサ・スギナミ」を応援してくれる人を増やしていけるよう、愚直に続けていくことがミッションの一つです。香川にいる時間も高円寺のことはずっと頭にあるし、まちは常に変化していると思っています。そんな、変わっていく高円寺をリアルタイムで、これからもさまざまな形で伝え続けていきたいと考えています。

■SNSなどを通して杉並の情報を発信!

■シゲタさんが取材した記事はコチラにも!
中央線あるあるPROJECTは「なみじゃない、杉並!」を合言葉に、区内の中央線沿線の魅力を発信しています。中央線あるあるPROJECTホームページでシゲタさんが取材した「昭和30年創業 荻窪邪宗門の店主に聞く」を掲載しています。

JR中央線4駅高円寺・阿佐ケ谷・荻窪・西荻窪エリアの魅力を発信中!

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