■TCH(歯列接触癖)について
TCH(歯列接触癖)をご存じでしょうか。TCHとは、上下歯列を必要ない時に接触させている癖です。
本来はくちびるを閉鎖していても上下の歯の間には安静空隙と呼ばれるすきまがあり、上下の歯は接触することはありません。1日の歯の接触時間は約20分といわれています。ところが顎関節症の症状の改善が思わしくなく、つらい症状が続いているかたたちの多くが、くちびるを閉じた状態で上下の歯をあわせているケースがあると考えられます。顎関節症の患者さんの約8割がTCHを持っており、顎関節症を悪化させる要因の1つとして考えられます。
また、TCHは顎関節症だけでなく歯科のさまざまな問題に関係している可能性があります。TCHがあると絶えず歯を合わせているので、つめものや歯のかぶせたものに負担がかかります。結果、かぶせものも外れやすくなり、再治療が必要となることがあります。
他にも、歯がしみる知覚過敏、定期的なメンテナンスを行っているのに歯周病が悪化する、歯の破折、入れ歯の痛みがなかなかとれない、原因不明の歯の痛みや違和感といった、多くの口腔内疾患の悪化要因にもなっている可能性があります。ふだん何気なく行っているTCHは放置すると歯を失う原因になりますので、日頃から上下の歯を接触させていないか、意識することがとても大切です。
東村山市歯科医師会
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