■東村山市都市デザイン専門監 髙尾忠志
○第1部基調講演 「ボーダーを越えて高め合うエリアの価値」より
東村山市は、これからの20年、30年をどのように過ごしていくかで100年後の東村山が変わってくる、大事な時期を迎えます。そうした東村山のまちづくりの中で、私が重要だと思うものの一つは「ブランディング」という考え方です。ブランディングとは、東村山という地域が持っているものをどのように表現し、より多くの人に伝えるのか、ということです。「東村山はこういう所だよね」ということが伝言ゲームのように伝わっていく、それをどのように仕掛けるかが重要になってきます。例えば、「東村山といえばこれ!」という1枚の写真が思いつくでしょうか?皆さん自身が東村山をPRする時にこれを使おう、という風景のイメージを共有することが重要です。
東村山らしい豊かな暮らしを実現するために、他の地域とは違う、固有の魅力を外の人にも伝わるくらい顕在化させ、PRする。これを市民、民間事業者、行政、専門家も含めて協働しながら取り組んでいくことが、これからの30年、40年のまちづくりの大きなテーマになると考えています。
Q.未来のまちづくりにおける行政と鉄道関係者等民間の関わり方についてどう考えるか。
「地の利・天の時・人の和」と言いますが、東村山には地の利があります。そして、大きくまちのハードが変わっていく天の時を迎えています。地の利と天の時は生かすも殺すも「人の和」次第です。人の和が一番大切で、立場やボーダーを越えた信頼関係が大きな力になります。
■オープラスアーキテクチャー合同会社代表 鈴木美央
まちづくりのコンサルティングなどを行っている企業の代表をしており、3年前から「そらいち東村山」に関わっています。「そらいち」では、東村山駅前の公共空間の可能性や、魅力的な出店者・作家さんがいること、周辺店舗への波及効果を実感いただけたかと思います。まちの価値向上は、市民、行政、企業が一緒になることで、実現すると思います。
Q.東村山の強み・イメージは何ですか?
「そらいち」で東村山駅東口について広場のコンセプトを議論した際、「空」というキーワードが出てきました。私は秋津・新秋津エリアでも、線路、神社、川や高低差があり、とても空を感じます。
また、他の地域と差別化するには、小さなものの積み重ねでもいいとも思っています。東村山の外では手に入らなくて、個人個人のこだわりでできているものがたくさん詰まっている。それが生活を豊かにする。それが所沢とも立川とも違う戦略になると思っています。
Q.未来のまちづくりにおける行政と鉄道関係者等民間の関わり方についてどう考えるか。
行政、事業者、民間が一緒にやっていくためには、それぞれ違う強みを持つ人達が信頼関係を築いて、「みんなで豊かなまちを築いていく」という気概が必要です。「そらいち」がうまくいったのは、関わった担当職員の本気度、事業者、みんなに「ここで豊かなまちを実現できる」という信頼ができていたからだと思います。さらに一歩先に進めたり、困難を突破するためにも、信頼関係は大事だと思います。
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