江戸川区は『誰もが健康を心がけ、いきいきと暮らしているまち』を実現し、更なる健康寿命を延ばすことを基本理念とした「みんなのえどがわ健康いきいきプラン(江戸川区健康増進計画)」を策定し、公表する予定です。
このページでは、計画の策定にご協力をいただいている佐藤大介客員教授(千葉大学医学部附属病院)の監修のもと、広報えどがわに掲載している健康コラムの詳細版を掲載しています。
■第2回 お酒と健康の話
「酒は百薬の長」とは中国の故事ですが、確かに適度の飲酒は狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳梗塞、糖尿病のリスクが減るという報告も今までにはありました。
しかしながら、最新の研究では「酒は百害あって一利なし」が正しいようです。195の国と地域で、23の様々な健康リスクを検討したところ、健康リスクを最小限にする飲酒量はゼロであるという結論が2018年に世界的に権威のあるLancetという医学雑誌に報告されました。
すなわち、健康への影響を考えれば一滴も飲まない方が良いのです。現在、飲酒習慣のない方は、新たにお酒を飲み始めるべきではありません。また、飲酒習慣のある約60万人の解析で、死亡リスクを最低限にする飲酒量は、純アルコールで週に100グラムまで、と同じ医学雑誌に報告されています。
純アルコールで20グラムが1単位とされ、ビールなら500ミリリットル(缶ビール1本)、日本酒なら180ミリリットル(1合)、ワインなら4分の1本、ウイスキーならダブル1杯、焼酎ならコップ半分です。すなわち、多くても1日の飲酒はビールなら500ミリリットルまでで、週に2日は休肝日を設けると、ようやく純アルコールで週に100グラムに収まります。以前は、1日2単位まで許容されていたことを考えると、いっそう厳しくなったことになります。いわゆるお酒のみにとっては辛いところです。
千葉大学医学部附属病院 加藤直也教授(消化器内科)
<この記事についてアンケートにご協力ください。>