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■支え、支えられ、支えあうまちに(3月1日)
「毎月の給料日、頂いた工賃で家族にハンバーガーをごちそうすることを楽しみに仕事をしています」。そう語っていたのは、知的障害があり、区内の就労支援事業所に通所する二十歳を迎えた利用者です。障害がある方の「二十歳を祝う会」で、関係者の皆さまやご家族の温かい笑顔に見守られて、大人への第一歩を踏み出しました。
本区では、障害者の就労環境向上に向けたさまざまな取り組みを模索していますが、障害者の工賃は月平均1万5000円程度と、決して高いものではありません。この方も、大切な工賃の中からご家族にごちそうすることを目標にして、休むことなく仕事を頑張っています。また、今は離れて暮らす大好きなお姉さんが月に一度実家に帰ってくる日を、何度も確認しながら楽しみに待っているそうです。
そのお姉さんの言葉です。
「大学を卒業後、弟がきっかけで特別支援学校の教員になりました。まだまだ未熟で、仕事で分からないこと、悩むことがありますが、そのたびに弟ならどう思うだろうと考えます。弟は私にとっての先生です」。
支える人が時には支えられ、支えられる人が支える側に回る。本区が目指す「ともに生きるまち」の一つの姿だと思います。
江戸川区長 斉藤 猛
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