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特集 地域を見守る─民生委員・児童委員の活動─(1)

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東京都江戸川区 クリエイティブ・コモンズ

“地域の身近な相談相手”として、地域住民を見守る「民生委員・児童委員」。区内では現在、400人以上の方が活動しています。どんな想いをもって活動しているのか、委員を務めるお二人に話を伺いました。

■民生委員・児童委員 花島 宣人(はなしま のぶひと)さん

○「身近な相談相手」で「つなぎ役」
皆さんは民生委員・児童委員がどのような活動をしているか知っていますか。民生委員・児童委員は厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員で、地域福祉の担い手として日々活動しています。同じ地域に住む“ご近所さん”だからこそ、身近な相談相手として、介護や子育てなどに関する生活上の心配事・困り事を解決する手助けをしています。
また、高齢者や障害のある方のお宅を定期的に訪問し、生活をする上での相談を受けることも活動の一つです。必要に応じて、区などと連携し、住民と関係機関を“つなぐ”役割も担っています。

○相談者との“違い”を受け止めて
生まれ育った東部地区で民生委員・児童委員の活動を行っている花島宣人さん。これまで、小学校のPTA会長や町会の役員など地域の活動に精力的に携わってきました。前任者が退任することをきっかけに委員の声がかかり、地域のためにという思いから引き受けました。
委員になる前は、民生委員・児童委員がどのような活動をしているのか分かっていなかったとのこと。実際に活動を始めて、相談を受ける難しさを痛感したと話します。
「相談される方と私とでは、今まで生きてきた環境や人生観、価値観の違いがあります。そのため、自分の主観だけで話さないことや、傾聴の姿勢など、相手の立場を思いやる心構えをいつも持つようにしています」

○本当の気持ちを聴く
花島さんは、高齢者宅への定期訪問や福祉施設との連絡会議に参加するなど、地域の福祉を支える活動をしています。訪問先で話を聞いている中では、行政などに相談できず悩みを抱えている方も多いのだとか。そういった方には、「こんな窓口があります」と案内したり、時には一緒に窓口に行ったりと、相談される方に寄り添った活動を心がけています。
相談を受ける上で、「相手の話をよく聴くこと」を心に留めているという花島さん。
「一見関係なさそうな話の中にも、家族関係や体調のことなど、その方が本質的に抱えている悩みを解決するヒントが隠されていることもあります」
本人の心の中にある本当の気持ちを聴くことを大切にしています。

○誰かのために費やす時間
花島さんは普段、江戸川一丁目にある保育施設の園長を務めています。そんな、“二足のわらじ”を履く花島さんですが、民生委員・児童委員の活動を通して、気が付くことも多いといいます。
「いろいろな家庭の事情を聞いている中で、それぞれの家庭が抱えている問題の背景には、地域の高齢化や子どもの貧困など共通した問題があると感じます。そういった社会的に問題となっていることが、自分の住む地域でも起こっているということを、活動を通して再認識しましたし、より地域のつながりが大切なんだなと思います」
また活動を続ける原動力について、「誰かのために何かをしてあげられることが幸せ」と語る花島さん。
「自分の時間を、自分のためよりも誰かのために費やしたいと思っています。そうすることで、誰かの力になれたり、喜んでもらえたりするのなら、その時間の使い方は価値のあることだと思うので」
民生委員・児童委員の信条にあるように、“隣人愛”を大切にしながら花島さんは活動しています。
この日見守りで訪れたのは、花島さんが子どもの頃からある「松屋菓子店」。「これからも元気にお店を続けてもらいたいです」と話します。
保育施設の園長でもある花島さん。「園長先生、遊ぼう!」と園児たちが喜々として駆け寄ります。園児たちと過ごす時間も大切にしています。

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