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自治体の皆さまへ

通いの場を立ち上げ、楽しくフレイル予防。(1)

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東京都渋谷区

―居心地のいい通いの場で、楽しく健康寿命を延ばそう。―

■フレイル予防・通いの場とは
「フレイル」の語源は「Frailty(フレイルティ)(虚弱)」。健康な状態と要介護状態の中間という意味。フレイル予防は「運動」「栄養・口腔(こうくう)ケア」「社会参加」の3つの柱からなり、この3つを心掛けることで、健康状態を維持・改善することができます。「通いの場」は介護予防・フレイル予防を目的に、地域の人々が交流する場所です。

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
区が開催する「フレイル予防のための通いの場等立ち上げ支援研修」に参加された皆さんに、研修に参加したきっかけや活動内容、今後の目標などを伺いました。

・元気のスパイス 代表 茂村眞由美(しげむらまゆみ)さん
「フレイル予防を次世代にも共有していきたいです。ぜひ、気軽に見学に来てください。」
・サヴァ! 代表 山浦英二(やまうらえいじ)さん
「参加者の皆さんの笑顔がうれしく、やりがいを感じています。」
・美竹の会 代表 原千保美(はらちほみ)さん
「みんなで集まる場所があると、運動も続けやすいです。一緒に体を動かしましょう。」

◆自分自身と身近な人のため、通いの場を立ち上げ
◇皆さんが通いの場を立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。
茂村:生まれも育ちも渋谷区です。料理やスポーツ推進に関する仕事をしてきたこともあり、30年ほど前から地域で健康や運動を目的としたグループを緩やかに運営してきました。母の介護を見据えて訪問ヘルパーの資格を取得したことをきっかけにフレイル予防に興味を持ち、「フレイル予防のための通いの場等立ち上げ支援研修」(以下、研修)に第一期生として参加しました。今では自分自身のグループ活動にもフレイル予防を取り入れています。

山浦:笹塚に50年ほど住んでおり、普段は社会福祉の仕事をしています。通いの場を立ち上げたきっかけは、休日に参加している地域のラジオ体操です。その会場でお会いする高齢者の皆さんはとても元気なのですが、中には健康や家庭環境の変化によって、参加できなくなってしまう人もいるんですね。そこで、運動や食事を含め、健康や生活の質を向上するための場を作って地域貢献ができればと思い、しぶや区ニュースの記事で募集していた研修に参加しました。

原:神宮前に生まれ育ち、現在は一人暮らしをしています。もともと運動習慣がなく、定年退職してからは体がなまり、物忘れもひどくなってしまいました。これは大変と思い、体操を始めたところ、物忘れも減って、体を動かすとこういう効果があるんだなと実感したんですね。そこで研修に参加して通いの場を立ち上げ、地域の同年代の人や先輩方に「一緒に体操しましょう!」と声を掛けました。

◇皆さんの通いの場の活動内容について教えてください。
茂村:好奇心を持ち、日々の暮らしの中でちょっとした刺激を得ることが「元気のスパイス」になると思い、この団体名にしました。私たちのグループは登録制で、現在の登録者は約10人、参加人数は平均3〜4人です。活動内容は、体操などの運動は軽めで、コミュニケーションが中心です。会場まで出掛けたり、誰かと話したりするだけでもフレイル予防になるので、通いやすさを大切にしています。

山浦:笹塚地域で月2回、開催しています。団体名の「サヴァ!」はフランス語で「お元気ですか?」という意味です。最初は知り合いの3人から始まり、その後口コミで少しずつ増えて、現在は毎回10人ほど参加しています。「若返るダイヤモンド体操※1」や研修のテキストに載っていたゲーム体操を中心に行なっています。

※1 高齢者の健康のために、理学療法士や大学教授の監修のもと考案した区オリジナルの体操。

原:「美竹の会」は美竹の丘・しぶやで週1回、約10人で活動しています。ダイヤモンド体操を行なった後、別の体操やマット運動、おしゃべりをしています。いつも和気あいあいとした雰囲気です。

◆研修の学びや交流を生かし、無理なく楽しい内容に
◇研修では、具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか。
山浦:全10回の研修では、「フレイル予防・通いの場とは何か」というところから始まり、区の現状、フレイル予防の要である運動、栄養・口腔(こうくう)ケア、社会参加についての説明、体力測定、プログラムの体験・練習などを行いました。研修のテキストがとても分かりやすく、毎回グループワークをしたことで、立ち上げの準備もしやすかったです。先輩のグループ紹介や経験談も、非常に参考になりましたね。同期の皆さんも情熱があって、今でも互いのグループを見学に行くなど交流があります。

◇研修を終えて実際に通いの場を立ち上げる上で、工夫したことを教えてください。
原:体操だけでなく、落語やフラダンスなども取り入れています。最近は「ダンスをやりたい」という声もあり、ボランティアで教えてくださる人を探しているところです。

山浦:けん玉などの懐かしいグッズを置いたり、地域の昔話を取り入れたりしています。時々ゲストを呼ぶ機会も作っていて、料理研究家に旬の野菜の話をしてもらったり、研修の同期の原さんにリンパ体操を教えてもらったりしました。

茂村:コミュニケーションをとる時は内容が偏らないように、毎回トークテーマを設け、運動では体幹や足腰を鍛えて、転ばない体づくりに重点を置いています。家事の中でできる動きなどもあるので、みんなでアイデアを出し合っていますね。

◇利用者からはどのような声が寄せられていますか。
山浦:「もっと回数を増やしてほしい」「ぜひ、継続してやってほしい」という声をいただきますね。また、ゲーム体操をやると、よく笑いが起こるんです。皆さんの笑顔が素晴らしくて、こちらもうれしくなります。

茂村:一人暮らしの人には栄養の話が好評ですね。「食ベポチェック※2」という栄養チェックシートを活用して、一週間の食事を振り返って意見交換していますよ。

※2 魚や肉、牛乳など10食品群を食事に取り入れるためのチェックシート。各食品群の頭文字をつなげた「さあにぎやか(に)いただく」が合言葉で、一日で10食品群のうち7つ以上を食べることが理想とされている。

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